12月3日から12月6日まで、英国のニューマーケットで開催された「タタソールズ・ディセンバセール・牝馬
セッション」は、総売り上げが前年比11.1%ダウンの6071万2100ギニー、平均価格が前年比17.6%ダウンの8万3396ギニー、中間価格が前年比18.0%ダウンの2万500ギニーという低調な結果に終わった。
北半球の競走馬市場は、ここへ来て縮小傾向に入っており、11月に北米のケンタッキーで行われた「キーンランド・ノヴェンバーセール」でも、平均価格と中間価格がそれぞれ前年比にして10.9%と18.0%もダウン。同じく11月に愛国のキルデアで行われた「ゴフス・ノヴェンバーセール・牝馬
セッション」では、平均価格が前年比で38.4%ダウン、中間価格が前年比で33.3%ダウンという急落を見ていたが、ニューマーケットの市場もこうした傾向をそのまま受け継ぐことになった。
ただし、英国のタタソールズセールにおける救いは、主取り率が前年の21.2%から今年は17.1%に下降した点にある。すなわち、分厚い需要はあったわけで、見方を変えれば、マーケットにおけるプ
レイヤーの数は充分に足りていたと分析されている。それでも主要な指標が軒並み後退したのは、バイヤー一人当たりの購買単価が下がったからで、しきりに取り沙汰されている、一般景気が来年以降は縮小期に入るとの観測が、競走馬市場における購買者心理にも影響を与えたものと見られている。
(文:合田直弘)