23日に中山競馬場で行われる
グランプリ・
有馬記念。
ジャパンC、3歳クラシックを制した馬たちこそ出走しないものの、秋の天皇賞を勝った
レイデオロや、昨年の
ジャパンC馬
シュヴァルグラン、2016年の
有馬記念覇者
サトノダイヤモンドら歴戦の強豪が出走予定で、大激戦が予想されます。
そこで、今年の
有馬記念について、元ジョッキーの佐藤哲三さんを直撃。
レイデオロが大きくは崩れないだろうとしたうえで、上手いと絶賛する
池添謙一騎手への激励や、海外トップクラスボウマン騎手の騎乗技術など“ジョッキー”の視点で、
有馬記念の展望を語ってもらいました。
―――
有馬記念というレースは、哲三さんにとってどういうレースでしょうか?
現役時代は、ダービーよりも
有馬記念を勝ちたいってずっと思っていました。もちろん、ダービーも勝ちたかったですけど(笑)、
有馬記念のときの中山競馬場の雰囲気がとにかくすごい。お客さんの声援が間近に感じられるくらい、スタンドから圧倒されるような声援はゾクゾクしましたね。年の瀬ということもあって、
メディアも連日
有馬記念の話題でもちきりで。こういう雰囲気のなかで勝ちたいなって気合いが入ってましたね(笑)。
今でも一番印象に残っているのは、2003年の
有馬記念かな(
タップダンスシチーに騎乗、2人8着)。
ジャパンCを勝って臨んだ一戦だったのですが、あの年は降雪もあって馬の調整が難しかったことに加えて、競馬に行ってもオリビエ、豊さんら、全方位から徹底マークされてしまって…タップも自分も何もすることができなかった印象が強く残っています。02年も04年は(ともに
タップダンスシチーに騎乗)力を出し切っての2着なので充実感はありましたけど、やっぱり03年の
有馬記念での悔しさは今でも忘れられないですね。
―――そんな特別なレース「
有馬記念」ですが、ハイレベルな世代といわれる今年の3歳勢はどうでしょうか?
GIを勝った馬たちは出てこなかったのですが、
ブラストワンピースには注目してます。馬の力は間違いなくあります。謙くん(池添騎手)とはコラム「哲三の眼」でも対談させてもらっていて、これまで何度も彼の騎乗を褒めてきたのですが、
菊花賞のレースに限っては、あの枠順なら前にポジションを取ってほしかったな、という思いが強いです。
後ろから行って馬の手助けをしてあげながらの4着だったのか、ガチンコ勝負をしにいっての4着だったのか。僕は、手助けをしてあげすぎずに、
ブラストワンピースがガチンコ勝負に行って、古馬相手にどこまで通用するのか、という
ブラストワンピースの
有馬記念が見てみたいです。もちろん競馬ですから、陣営の作戦であったり、ゲートの出であったり、いろいろな要素にポジショニングは左右されますが、一番悔しい思いをしていただろう謙くんの巻き返しに期待したいと思います。
―――
ブラストワンピース、距離はいかがでしょうか?
距離の2500mは問題ないです。ただ2400mとのこの100mの差がすごく出るレースなんです、
有馬記念は。
オルフェーヴルや
ディープインパクトといった距離に関係なく力でねじ伏せるスーパーホースは別として、
有馬記念は息を入れながら、ペースをうまく配分できた馬が好走します。さらに中山Aコースの内側を先行気味に走る馬が有利になりやすい傾向がありますから、
ブラストワンピースで流れに乗って先行している謙くんのレースを見てみたい思いがあります。
―――迎え撃つ古馬勢はいかがでしょうか?
もちろん、天皇賞馬
レイデオロが主役とは思いますが、元騎手としては
シュヴァルグラン。ボウマンに乗り替わって、結果がどう変わるのかに注目しています。やはり中山芝Aコースは、状態が良好であることが予測されますし、内枠・先行が有利になるレース。ボウマンは勝てるポジションを取る技術が本当に巧いジョッキーです。馬を動かしていったから折り合いを欠くか、といったらそんなこともないですし、ペースによってポジションを自在に操ることができます。まさしく世界一流のジョッキーだと思いますので、ポジショニング含めてどんな騎乗をしてくるのかに注目しています。
―――
オジュウチョウサンはどうでしょうか?
平地は厳しいんだろうなって思いながらもここまで来てるので、もしかしたら一発…っていう気持ちは少しあります(笑)。障害に行った馬の
グランプリ勝利っていうのは過去に
メジロパーマーがいましたし、チャンスはあるんでしょうけど、ただパーマーの場合、平地重賞勝利実績がありましたからね。
オジュウチョウサンが
有馬記念で好走するのは厳しい…という見立てになってしまうと思いますが、ただ応援してくれるファンの多い馬ですし、選ばれし者だけが出られる
グランプリですから、今回は大きな意味を持つ挑戦だと思います。
―――その他の路線はいかがでしょうか?
アルゼンチン共和国杯を勝った
パフォーマプロミスは強い馬だと思います。距離経験もありますし。
エリザベス女王杯組の牝馬
モズカッチャンにも注意は必要でしょうね。実力は間違いなくありますから。枠の抽選が楽しみですよね。自分が推したい馬は10番より内に入ってくれ〜って思います(笑)。コーナーがきつく、折り合いが大変ですし、騎乗するやりくりのなかで、10番より内がやりやすかったので、ジョッキーはみんなそう思ってると思います(笑)。
―――そんななかで、哲三さんが今年の
有馬記念で最も期待している馬は?
先ほども挙げましたけど、
ブラストワンピースですね。能力があるのは間違いないです。
菊花賞での悔しさを糧にした謙くんの熱いレースが見たいです。
―――もし哲三さんが現役復帰されたとして、このなかで乗ってみたい馬はどの馬ですか?
そうですね〜、自分は本命馬でどうやって勝つかよりも本命馬をどうやって負かしにいこうか、というタイプなので、今年のなかではやっぱり
シュヴァルグランですかね。先行もできますし、中団に構えてもいいですし。あと、
ブラストワンピースにも乗ってみたいなって思いますね。
―――もし
ブラストワンピースに乗ったら、戦法は…?
内枠なら絶対に先行です(即答)(笑)。
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