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【有馬記念】ディープインパクトのラストラン 単勝支持率70%に応え、ターフを去る/平成有馬記念列伝(2006年)

  • 2018年12月21日(金) 12時12分
 ディープインパクトのラストラン、それは王者の誇りを取り戻すための最後の戦いでもあった。

 ファンの期待を一身に背負って挑んだ凱旋門賞は3着入線に終わり、レース後には禁止薬物が検出され失格処分を受ける。国内復帰戦となったジャパンカップを圧倒的人気に応えて勝利したものの、それまで見せてきたパフォーマンスに比べると地味な内容にも映った。絶対王者として、前年に苦杯を舐めた舞台で圧倒的な強さをみせる。それが、ディープインパクトに課せられたラストミッションであった。

 1番人気はもちろんディープインパクト。単勝支持率70.1%、単勝オッズ1.2倍という圧倒的な支持を受け、2番人気のドリームパスポートが13.1倍、3番人気のダイワメジャーが15.1倍で続く。

 レースは香港遠征帰りのアドマイヤメインがハナ。道中では後続との差を広げ、10馬身以上離す大逃げを展開する。ディープインパクトはいつも通りの後方待機。3コーナー過ぎから仕掛けられ4コーナー入り口で先団に取り付くと、残り200m地点で先頭に立つ。そのまま差を広げると、最後は流しながら、拍手と「ありがとう」の声援が飛び交う中でのゴール。2着ポップロックとの差は3馬身。武豊が「今までにないくらいの強烈な『飛び』でした」と振り返る圧巻の走りだった。

 最終レース終了後に行われた引退式。5万人のファンに見守られ、ディープインパクトは736日間におよぶ競走生活を終え、ターフを去った。

 平成18年12月24日、第51回有馬記念。間違いなく平成の競馬史に残る、英雄のラストフライトだった。

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