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【有馬記念】稀代の中山巧者・マツリダゴッホがダイワ兄妹を完封/平成有馬記念列伝(2007年)

  • 2018年12月21日(金) 14時00分
 ディープインパクトがターフを去り、群雄割拠の時代に突入。

 1番人気に推されたのは前年の二冠馬で、この年の春秋の天皇賞を制覇していたメイショウサムソン。前年の有馬記念は5着止まりだったが、古馬総大将としてリベンジに挑む。

 2番人気ポップロックは前年の2着馬。ジャパンカップではメイショウサムソンに先着しており、ペリエ騎手を背に悲願のGIタイトル獲りを目指す。

 3番人気は3歳牝馬にしてファン投票第1位を獲得したウオッカ。この年、64年ぶりとなる牝馬によるダービー制覇を成し遂げていた。秋華賞は3着、エリザベス女王杯は出走取消とリズムに狂いが生じていたが、ジャパンカップでは上がり最速で4着。輝きを取り戻すべく、暮れのグランプリに参戦してきた。

 好スタートはダイワスカーレット。内からマツリダゴッホも先行態勢を取るものの、それを制して外からチョウサンがハナを切る。ダイワスカーレットは2番手に控え、3番手の内にマツリダゴッホポップロックウオッカが中団につけ、1番人気のメイショウサムソンは後方11番手からのレースとなってしまう。

 3〜4コーナーでも前を行くダイワスカーレットマツリダゴッホは楽な手応え。対照的に後方から仕掛けていくウオッカメイショウサムソンはなかなか前との差を詰められない。

 4コーナーでは外からダイワスカーレットが先頭に並びかけていくが、コーナーワークで内からあっという間にマツリダゴッホがリードを奪う。坂を上がっても脚色は衰えず、そのまま、1馬身1/4の差をつけゴールへと飛び込んだ。2着にダイワスカーレット、そこから2馬身半遅れて内を捌いたダイワメジャー

 上位人気3頭が総崩れとなり、3連単は80万円を超える大波乱となった。

 レース後の会見で、この年の流行語にかけて「スタンドのお客さんにKYと言われました」と笑わせた蛯名正義

 稀代の中山巧者による一世一代の激走に、場内はしばらくの間、ざわめきに包まれていた。これもまた、競馬である。

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