ジャパンカップを制しファン投票1位を獲得した
ウオッカをはじめ、有力どころが軒並み回避。ファンが来年への期待も込めて1番人気に支持したのは
ブエナビスタだった。
春に牝馬二冠を達成したものの、
札幌記念で2着に敗れ予定していた
凱旋門賞遠征を中止。
秋華賞はハナ差の2着入線も降着、
エリザベス女王杯は大逃げ2頭を捉えきれず3着と歯がゆい内容が続いていた。
2番人気は春の
グランプリ・
宝塚記念を制した
ドリームジャーニー。前年は4着止まりだったが、その後本格化。得意の中山コースで逆転を狙う。3番人気はやや離れて
マツリダゴッホ。こちらも2年前の
有馬記念を制し、この秋には
オールカマー三連覇を達成している名うての中山巧者だ。差がなく4番人気に3歳
フォゲッタブルが続く。
ゲートが開くとスッと
リーチザクラウンがハナへ。1000m通過58秒6の速いペースの中、
ブエナビスタはこれまでの後方待機策とは一転、好位6番手を追走する。一方、
ドリームジャーニーはゲートのタイミングが合わず後方2番手から。
3コーナー過ぎから、道中は中団に構えていた
マツリダゴッホが一気に捲って先頭集団に並びかけ直線へ。直線に向くと
マツリダゴッホの外から、
横山典弘の
ゴーサインに応えた
ブエナビスタが一気に交わす。さらにその外から
ドリームジャーニー。
残り200m地点で馬体が合うと、
ブエナビスタがもう一度伸び返したものの、2頭のマッチレースは1/2馬身差で
ドリームジャーニーに軍配。3着には最後方から
エアシェイディが押し上げた。
勝ち時計は歴代2位となる2:30.0。
リーチザクラウンの逃げと
マツリダゴッホの捲りが生み出した激流により、後方待機組が上位を独占する中、正攻法で2着に粘った
ブエナビスタの強さも印象に残った一戦だった。