この年は3歳馬が大挙出走。
ジャパンカップを制した
ローズキングダムこそ直前で出走を取り消したものの、ダービー馬
エイシンフラッシュ、
皐月賞馬で
凱旋門賞にも挑戦した
ヴィクトワールピサ、
天皇賞・秋2着の
ペルーサ、さらには秋緒戦の
鳴尾記念を制した
ルーラーシップに、
NHKマイルC以来のぶっつけで挑む
ダノンシャンティ。
しかし1番人気に支持されたのは、前年同様に
ブエナビスタだった。前走の
ジャパンカップでは、1位入線ながら2着降着という憂き目に遭っており、その悪い流れを払拭する意味でも、ここはどうしてもモノにしたい一戦である。
レースは
トーセンジョーダンがハナを切り、ゆったりとしたペースで流れる。
オウケンブルースリ、
トゥザグローリーが続き、
ブエナビスタは後方からの競馬となった。向正面で4番手を追走していた
M.デムーロの
ヴィクトワールピサが一気に動いて先頭に並ぶ。内の
トーセンジョーダンが譲らず、
ヴィクトワールピサは2番手に収まった。
4コーナー入り口で
ヴィクトワールピサが先頭に立つと、直後から
ペルーサと
トゥザグローリーが追う。残り200mで
ヴィクトワールピサが完全に抜け出すと、外に出した
ブエナビスタが猛追。2頭並んでのゴールは、6分にも及ぶ写真判定の結果、ハナ差だけ
ヴィクトワールピサが凌いでいた。3着は3歳勢で最も人気のなかった
トゥザグローリー。
この3ヶ月後、
ヴィクトワールピサは
ドバイワールドカップを優勝し、震災に沈む日本に大きな勇気を与えることとなる。その時も向正面で一気に2番手まで押し上げる競馬だった。