この年の注目は何といっても
キタサンブラック。競馬ファン以外にも抜群の知名度を誇った近代競馬屈指の名馬のラストランが、この
有馬記念だった。
1番人気はもちろん
キタサンブラック。極悪馬場での
天皇賞・秋での激走、続く
ジャパンカップでは3着に敗れており、安泰という状況ではなかったものの、ファンは2倍を切るオッズで期待を寄せた。
2番人気はダービー2着馬で
アルゼンチン共和国杯を楽勝してきた3歳馬
スワーヴリチャード、
ジャパンカップの覇者
シュヴァルグランが3番人気で続く。
絶好のスタートから
キタサンブラックがハナを奪い、
シャケトラ、
ヤマカツエース、
クイーンズリングらが続く。
キタサンブラックが1000m通過61秒6とマイペースに持ち込む中、
シュヴァルグランは中団、
スワーヴリチャードは後方の外目を追走。
3〜4コーナーで外を通って
スワーヴリチャードが追い上げ、直線は大外へ。
シュヴァルグランと並んで追いかける。しかし、前を行く
キタサンブラックの逃げ脚は一向に衰えない。そのままリードを保って栄光のゴールへと飛び込んだ。
2着に内をロスなく立ち回った
クイーンズリング、3着に
シュヴァルグラン。
スワーヴリチャードは内にもたれる悪癖を克服できず4着に終わった。
レース後、
武豊は
キタサンブラックに「ありがとう。ご苦労様」と声をかけたという。最終レース後に行われたお別れセレモニーで北島三郎オーナーは何度も「感謝」という言葉を繰り返した。
引退セレモニーの締めはもちろん「まつり」。中山競馬場のスタンドに「これが有馬の、まつりだよ」の歌声が響きわたる。こうして平成29年の
有馬記念は幕を閉じた。