今年の
有馬記念は障害界のスーパースター、
オジュウチョウサンがファンの支持に応えて参戦。
ジャパンCの優勝馬
アーモンドアイ、3着馬
スワーヴリチャードこそ出走してきませんが、近走不振のGIウイナーたちが多く参戦し、バラエティに富んだメンバー構成となりました。
オジュウチョウサンがかつての
日経賞の
テンジンショウグンのように、アド
バルーンを打ち上げてくれたらまさに「ドリーム
有馬記念」ですが、その頃と比べると馬場が高速化しているだけに、厳しい条件でしょう。個人的には勝って欲しい気持ちはありますが、よっぽど雨が降らないと、無尽蔵のスタミナを生かせないと思われます。
しかし、今年の
有馬記念も恐らく、荒れます。荒れる要素をいくつかご紹介すると、まず
有馬記念で重要なのは、実力以外に「余力」であるということ。近年、
有馬記念を圧勝したのは2003年の
シンボリクリスエス(9馬身差)と2013年の
オルフェーヴル(8馬身差)ですが、この2頭は前走で敗戦を喫していました。
シンボリクリスエスは前走の
ジャパンCで勝ち馬
タップダンスシチーに離されること9馬身1/4差の3着。また、
オルフェーヴルは前走の
凱旋門賞で勝ち馬
トレヴに離されること5馬身差、格下の
アンテロをなんとかクビ差退ける形での2着でした。昨年の
有馬記念は
キタサンブラックが優勝しましたが、前走の
ジャパンCでは3着とやはり敗れていました。
逆に、
ジャパンCで
シンボリクリスエスに大差をつけた
タップダンスシチーは、同年の
有馬記念で
シンボリクリスエスに大差をつけられる形で8着に凡走。昨年の
ジャパンCでは
キタサンブラックを撃破した
シュヴァルグランも、
有馬記念では
キタサンブラックを着順が入れ替わる形で、3着に敗退しています。今年、
アーモンドアイや
スワーヴリチャードが
有馬記念に出走してこないのは、牧場側の事情もありますが、出走させたとしても勝てない可能性が高いからです。
そもそも今年の
ジャパンCは、レコードタイムで決着したようにかなりのハイレベル戦でした。そのレコードを作り出したのはレースを緩みないペースで引っ張った
キセキであり、3着馬
スワーヴリチャードを3馬身半差突き放していることからも、かなり強いと判断できます。しかし、それだけに今回は余力という部分で不安が残ります。
確かに
ジャパンC、
有馬記念を連覇した馬はいるにはいるのですが、指数でみるとどちらかのレースを走れていないことがほとんど。
ジャパンCがハイレベルな年ほど、そこで好走した馬は、次走の
有馬記念では「本当に同じ馬か?」と思うほどのぶっ飛び方をしています。だからこそ、
有馬記念は
アメリカンボスや
アドマイヤモナーク、
オーシャンブルーといった人気薄が上位に突っ込んでくるのです。
今年の
ジャパンCを勝った
アーモンドアイが、ゴール後に歩様が乱れてヨロヨロしながらウイニングランをしていたあたりからも、相当に消耗度が高かったレースと推測され、
キセキは消してこそ馬券妙味では? ほかにも余力の面で疑問がある人気馬が出走しているので、それらはバシバシ消して、昨年の
クイーンズリングのような、近走でまともなレースができていない馬に印を回したいところです。
また、もうひとつの
有馬記念のポイントは、近年の
有馬記念はどスローで上がりの速い決着が多く、内々を立ち回った馬が断然有利であること。近年の
有馬記念の上位馬を見ても、4年前は4番の
ジェンティルドンナ、一昨年は1番
キタサンブラック、2番
ゴールドアクター、昨年は2番
キタサンブラック、3番
クイーンズリングのように内枠の馬ばかり。昨年の
クイーンズリングなどは、外枠の馬がコーナーで外々に張られるなか、うまく内目を立ち回ってハマりました。
今年も
キセキが外からハナを取り切って、レースをハイペースで引っ張れば、そこまで枠順の影響は受けませんが、同馬はスタートがそれほど速いタイプでもありませんし、お疲れさまの状態ならばそういうレースはできないでしょう。1枠の
オジュウチョウサンが積極的に出して逃げる形ならば、昨年の内枠決着の再現もあるかもしれません。
(文=山崎エリカ)
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