一部でGIとしての格を疑問視され“
ホープレスS”とやゆされている
ホープフルS。その元凶となったのが記念すべきGI元年だった昨年の出走馬の“その後”だ。
重賞タイトルを手にしたのは3着馬
ステイフーリッシュ(
京都新聞杯)のみで、そのほかは500万下、1000万下を勝った馬がチラホラいる程度(一応、4着馬
サンリヴァルが
皐月賞で9番人気2着と穴をあけたが…)。そもそも勝ち馬
タイムフライヤーが掲示板近辺がやっとという競馬を続けているのだから、その「質」を疑われても仕方がないところだ。
「阪神(前身競走のラジオたんぱ杯3歳S→同2歳S→ラジオNIKKEI杯2歳S)でやっていたころは、同じ年(2000年)に
アグネスタキオンや
ジャングルポケット、
クロフネがいたりして…。朝日杯よりレベルの高いメンバーが集まっていたんですけどね。
ホープフルSというレース自体がオープン特別というイメージで頭の中に残っているのもあるんでしょうが、やはり中山の
イレギュラーなコースが一番影響しているんでしょうね」
こう分析したのは誰であろう
タイムフライヤーを管理する松田調教師だ。トレーナーいわく、「メンバーが手薄になるのを見越して出走させ、タイトルを勝ち取った」のが昨年だったとか。
今年は超良血
サートゥルナーリア、東京スポーツ杯2歳Sの覇者
ニシノデイジーという大駒がいるにしても、重賞勝ち馬が5頭いた
朝日杯FSに比べ、こちらは1頭のみ。やはり全体的な層は薄いと言わざるを得ない。
となれば、新馬戦を勝ち上がったばかりの
キングリスティアにもチャンスはありそうだ。
「新馬戦はよくありがちな逃げ切りではなかった。前半は後続がついてきてそこそこのラップで行きながら、しまいもしっかり伸びて、最速の上がりでまとめたからな。坂のある阪神で、2歳新馬があの感じで行ったら普通、ラストが甘くなる。それがムチを使わずに後ろを離した。勝ち時計(2分01秒2)も(アグネス)タキオンが同じ阪神で勝った新馬戦(2分04秒3)よりも、よっぽど速いだろ」
管理する河内調教師自身が現役時代に騎乗した名馬を引き合いに出すぐらいなのだから、評価の高さが分かるだろう。
阪神で騎乗予定を組んでいた川田を確保できず、内田博に乗り替わりとなるが…。中1週での急きょのGI参戦は、それだけ手応えがあるからにほかならない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ