さまざまな経験を積み重ねて挑んだシーズン3年目の2018年。藤田菜七子騎手(21)=美浦・根本=にとっては、忘れがたい一年となったであろう。
残暑も厳しかった8月25日の新潟競馬場で通算35勝目を挙げて、JRA女性騎手最多勝記録を更新。今か今かと周囲の期待が過熱した“菜七子フィーバー”が起こった当時を「周りの方に、あと何勝と言われることが多かった」と振り返る。
相当なプレッシャーがのしかかっていたが、今では「その後(の記録)は自分が作っていく感じに思えるので、少しは(プレッシャーから)解放されたし、たくさんの方々に応援をしていただいているのを実感できて、すごくうれしかった」と笑顔を見せる。
デビュー年はJRA6勝、2年目は同14勝、そして昨年は同27勝。順調に
ステップアップする菜七子に周囲の評価も上がってきた。「まだまだ勝てるレースがあったし、満足はしていない」と18年を反省するが、「他の騎手の方々に直接アド
バイスをいただいて、うまくなったと言われるのはすごくうれしかった。でも、以前と比べられてのことで、“このジョッキーはうまい”と言われるような感じになりたい」と、向上心はさらに上がっていく。
今年3月から、女性騎手の減量制度がスタートする。さらなる躍進へ追い風となりそうだが、「私自身、決められたルールの中で頑張るだけ。プレッシャーになるだろうけど、やることは変わらない。今まで通り、一鞍一鞍を大事に戦いたい」と、いつものスタンスは変わらない。
一方で、まだ果たせてないG1レースへの騎乗には「憧れていた舞台で乗せていただけるよう技術を磨いてきたので、より乗りたい思いはあります」と強い意欲を見せる。2019年の菜七子は、さらに高い目標に向かってまい進して行く。
提供:デイリースポーツ