「
シンザン記念、G3」(6日、京都)
出世レースを制したのは4番人気の
ヴァルディゼールだった。直線内から伸びて抜け出し、新馬戦からの連勝で初のタイトルを手にした。渡辺師は16年の開業以来、JRA重賞初勝利となった。昨年の
アーモンドアイを筆頭に
ジェンティルドンナ、
ミッキーアイルなどを輩出したレースを制し、さらなる活躍が期待される。外から猛追した10番人気の
マイネルフラップが2着、2番人気の
ミッキーブリランテが3着。1番人気の
アントリューズは8着に敗れた。
鞍上の左ステッキに応え、力強い走りでインから抜け出した
ヴァルディゼールが、ゴール板を先頭で駆け抜けた。
プラン通りの内容だった。道中は7番手の内。戦前に陣営が練った策だ。馬場のいい内を選択し、じっくりと機をうかがった。直線では内ラチ沿いから、やや外側へ切れ込むようにして先頭へ。迫る
ミッキーブリランテを抑え、最後は外から猛追してきた
マイネルフラップも封じ込んだ。
新春3勝目となった北村友は「ゲートが安定している馬ではないので、しっかりと好位でレースをしたいと思っていました。気性的にフワフワする面はありますが、それでも勝ってくれたのは能力の高い証拠。もっとポテンシャルは持っていますよ」とほほ笑んだ。
渡辺師にとっては、開業4年目でのJRA重賞初勝利。くしくもジョッキー時代、
ナリタトップロードで挙げた重賞初勝利(99年
きさらぎ賞)も京都だった。「あの時は訳が分からない感じでした」と懐かしそうに振り返ると、「調教師もとても難しい仕事ですが、勝つことで報われる。これで流れに乗っていきたい」と気を引き締めた。
思い出の地で、初タイトルをプレゼントしてくれた愛馬については「体形から考えて、マイルぐらいかなあとは思いますが、じっくりと考えていきたい」と前を向いた。昨年は
アーモンドアイが、ここから牝馬三冠&
ジャパンC制覇へと飛躍した。同じ
ロードカナロアを父に持つ素質豊かな3歳牡馬が、好センスを武器に次のステージへ向かう。
提供:デイリースポーツ