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【京成杯 勝負の分かれ目】未完成ながら圧巻の強さ。大きな伸びしろを感じさせた良血馬

  • 2019年01月14日(月) 19時30分
 12頭の若駒が出走した、第59回京成杯のゲートが開いた。伸び上がるように出たリーガルメイン以外は、ほぼ横並びのスタートを切った。

 クリストフ・ルメールが騎乗するラストドラフトがスタンド前でハナに立った。その内からカテドラルが上がってきた。2頭はやや馬体を離して併走したまま1コーナーに入って行く。

 1馬身ほど後ろの3番手はオイシン・マーフィーのランフォザローゼスカフジジュピター、1番人気のシークレットランヒンドゥタイムズらがつづく。

 1、2コーナーを回りながら、内のカテドラルがじわっと単騎でハナに立った。

 2番手はラストドラフト、3番手はランフォザローゼスという馬順で向正面へ。

 先頭から最後方まで10馬身ほどとなり、1000m通過は1分01秒1。

 3コーナーでラストドラフトカテドラルに並びかけ、ランフォザローゼスも外から進出する。楽な手応えで進むこれら3頭の外から、ミルコ・デムーロダノンラスターがマクるように上がってきた。これらの直後の内にヒンドゥタイムズ。結果的に、勝ち負けになったのは、このあたりまでにつけていた馬たちだった。

 その2馬身ほど後ろのシークレットランは、内田博幸がラスト600m手前でステッキを入れながら激しく追うが、なかなか前との差は詰まらない。

 ラストドラフトがほとんど持ったままで先頭に立ち、直線へ。ルメールが軽く手綱をしごいただけで鋭く反応し、ストライドを伸ばす。

 ラスト200m地点でランフォザローゼスに迫られたが、ルメールのステッキを合図にさらに末脚を伸ばし、先頭でゴールを駆け抜けた。

 勝ちタイムは2分01秒2。

 1馬身1/4差の2着はランフォザローゼス、首差の3着はヒンドゥタイムズシークレットランはそこから1馬身1/4遅れた4着だった。

 ラストドラフトは、11月25日に東京芝1800mで行われた2歳新馬戦につづく2戦2勝。ルメールが「物見をしていた」とコメントしたり、外からランフォザローゼスに来られて鞭が入るとまた伸びたりと、これから競馬を覚えていく段階であることを感じさせたが、それはすなわち大きな伸びしろがあるということだ。

 母は2011年の桜花賞マルセリーナ。同馬はディープインパクト産駒初のGI勝ち馬である。

 そして、ラストドラフト自身は、ノヴェリスト産駒初のJRA重賞勝ち馬となった。

 どんな成長を見せてくれるか、先々が楽しみな良血馬である。

(文:島田明宏)

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