1着馬に
フェブラリーステークスの優先出走権が与えられる第33回
根岸ステークスのゲートが開いた。
1番人気に支持された
戸崎圭太の
サンライズノヴァは1馬身ほど出遅れ、後方からの競馬となった。
大方の予想どおり、大外16番枠から
武豊の
マテラスカイが単騎でハナに立った。
2番手は
レッドゲルニカ、差なく
ノボバカラがつづき、4番手の内に
クリストフ・ルメールの
ユラノトがつけている。
オイシン・マーフィーが乗る2番人気の
コパノキッキングは中団の外。
その少し後ろを、ダート初参戦となった昨年の
NHKマイルカップの覇者
ケイアイノーテックが進んでいる。キック
バックの砂を嫌がっているのか、やや首を高くして、進んで行かないように見えるシーンがあった。
サンライズノヴァは、その外からじわっと上がって3コーナーに入った。
マテラスカイが先頭のまま4コーナーを回り、直線へ。
ラスト400m地点でも、まだ
マテラスカイは1馬身のリードを保っている。
外を回ってきたマーフィーの
コパノキッキングは、直線でも前がクリーンなところを伸びてきたが、まだ4馬身ほど遅れている。
ラスト200m手前で
マテラスカイが脱落し、内埒沿いから伸びてきたルメールの
ユラノトが先頭に立った。
しかし、それはほんの数秒だった。
馬場の真ん中から
コパノキッキングが猛然と末脚を伸ばし、ラスト100mほどのところで体半分ほど前に出て、押し切った。
3/4馬身差の2着は
ユラノト。外国人騎手の1-2フィニッシュだった。
1馬身3/4歳の3着は、
四位洋文の
クインズサターン。1番人気の
サンライズノヴァは、そこから3馬身半+首差遅れた8着だった。
コパノキッキングの勝ちタイムは1分23秒5。上がり3ハロンはレースの上がりより1秒速い、メンバー最速の35秒4。
「いい位置に楽につけられた。1200mから1400mになったので、あまり早く先頭に立ちたくなかった。今後、どうよくなっていくか楽しみです」
そう話したマーフィーは、ラスト400mで
ゴーサインを出してはいたが、まだステッキを入れていなかった。ラスト200m付近からステッキを入れ、追う強度を上げる「2段階スパート」のような形で、一気に先頭に立つのではなく、じわっとかわし、勝ち切った。
マーフィーは、つづく最終レースも勝ち、今日だけで5勝。短期免許での来日ながらリーディングを突っ走り、今年の勝ち鞍を17とした。今回の短期免許は今日まで。
アイルランド出身の23歳。昨年、活動拠点とするイギリスのほか、世界各国でGIを7勝した手腕を見せつけた。
(文:島田明宏)