17日に東京競馬場で行われる
フェブラリーS(4歳上・GI・ダ1600m)、今年注目されているポイントの1つが、
コパノキッキング鞍上の藤田菜七子騎手のGI初騎乗。そこで今週は「騎手のGI初騎乗」をテーマに、当時の競馬界やレースを振り返ってみる。今回は
フェブラリーSで人気が予想される
インティに騎乗、今年のリーディングのトップを走る
武豊騎手。
■1年後の
菊花賞ではGI初勝利
昨年は
JRA通算4000勝の金字塔を打ち立て、今年は年明けから勝ち星を量産しリーディングのトップを走っているレジェンド・
武豊騎手。これまでに
JRA・GIで75勝を挙げる
武豊騎手のGI初騎乗の舞台は、その後4勝することになる
菊花賞の舞台だった。
1986年8月の函館で美浦・吉野勇厩舎厩舎からデビューした
レオテンザンは
父スイフトスワロー、
母スイートナイル、
その父ダッパーダンという血統。翌年春のクラシックへの出走は叶わなかったが、夏のラジオたんぱ賞(現在の
ラジオNIKKEI賞)で重賞初制覇を果たす。その後、当時は
菊花賞トライアルだった10月の
京都新聞杯で、当時デビュー1年目の
武豊騎手と初めてのコンビを組み見事に逃げ切り勝ちで重賞2勝目。
武豊騎手は前週の
京都大賞典で
トウカイローマンに騎乗し重賞初制覇をしており、そこから2週連続の重賞勝利となった。
レオテンザンは引き続き
武豊騎手を背に
菊花賞へ向かうことになり、それが
武豊騎手のGI初騎乗となった。
前走とは違い2番手から進めた6番人気
レオテンザンは、逃げ馬が脱落し向正面で先頭に。まだ手応えは充分で、絶妙にリードを保ちながら最後の直線を迎える。最終的には勝った
サクラスターオーから0.6秒差の6着だったが、後続馬の追撃をラスト300mほどまで凌ぎ、1番人気のダービー馬
メリーナイス(騎乗していたのは藤田菜七子騎手の師匠・
根本康広現調教師)には先着した。直線を向いた際には「もしかしたら」とも思わせたレースだった。
武豊騎手のGI初勝利はその1年後の1988年、同じ
菊花賞の舞台で
スーパークリークに騎乗してのもの。熊沢重文騎手が1988年の
オークスでマークした史上最年少GI勝利記録を更新する、19歳8ヶ月でのものだった。