「
フェブラリーS・G1」(17日、東京)
7連勝で一気にG1タイトルをつかんだ。平成最後の中央ダート頂上決戦を制したのは1番人気の
インティ。鮮やかな逃げ切りで、鞍上の
武豊は同レース史上最多の5勝目。野中厩舎は開業12年目で初のJRA・G1制覇となった。2番人気の
ゴールドドリームが2年連続の2着。3着に8番人気の
ユラノトが入り、JRAの女性騎手で初めてG1に挑んだ藤田菜七子騎乗の4番人気
コパノキッキングは5着に敗れた。
歴史の扉を開いた。そう言って構わないだろう。
コパノキッキングでJRA女性騎手初のG1騎乗に臨んだ藤田菜七子は5着。デビュー4年目で立った夢舞台に、菜七子は「東京競馬場もダート1600メートルも何度も乗っているのですが、きょうは違う景色に見えました」と感慨深げな表情を浮かべた。
オーナーから「黄色と赤色のリボンがあったら髪に付けて」とオーダーされ、“コパノ”の勝負服に合わせたリボンを結んで騎乗した大一番は、単勝4番人気でのゲートインとなった。好発を決め、道中は最後方待機策を選択。直線で大外に持ち出し、猛然と追い込んで掲示板を確保した。「しまいを生かす競馬をしようと。ただ、思ったよりもペースが落ち着いてしまった。最後は頑張って伸びているのですが…」と振り返った。
「負けなくて良かった。僕自身、彼女が勝って2着というのだけは避けたかった」とV後の会見で笑いを取ったのは
武豊だ。「5着は本当に立派。僕も初めてのG1(87年
菊花賞=
レオテンザン)は6着でしたから。彼女はこの経験を生かしてくれると思うし、今後は当たり前のように(G1に)乗れるようになっているといいですね」とエールを送った。
「いつもはテレビや競馬場で聞くファン
ファーレを、馬場の中で聞いた時は本当にすごくて…。泣きそうになりました」。初騎乗初制覇こそならなかったが、19年最初のG1を菜七子が盛り上げたのは間違いない。これからもJRA女性騎手として先頭を走り続ける。
提供:デイリースポーツ