高知競馬場の最終レースとして組まれているファイナルレース。他のレースと比較しても頭数が揃い、近走の着順が芳しくないメンバーばかりが集められた一戦だけに難解ですが、非常にクセが強いので、一度コツさえ掴めば自分の得意分野として予想することができます。
筆者自身も1年半近く試行錯誤を繰り返しながら、ようやく現在の予想
スタイルを確立するに至りました。ちなみに、ファイナルレースに限ってみれば2019年は2カ月間、20Rで回収率約140%をキープしています。そこで今回は早速、今日から使える回収率をアップさせるファイナルレース攻略法についてお話していきましょう。
高知ファイナルレース攻略のポイントは、以下の3点になります。
1.条件好転馬を狙い撃ち
2.難解なレースこそシンプル
シンキング
3.ファイナルファンタジー騎手を狙う
まず1点目の条件好転馬について。基本的に高知の馬場は良馬場、雨が降って極端な不良馬場ほどイン有利になりやすく、重馬場などの中間の馬場段階では外が伸びる傾向にあります。ファイナルレースが行われるのは、1300mもしくは1400m。スタート地点が直線なので、もし外が伸びる馬場状態であれば、外枠を引いた馬は伸びる外を二度走ることができるうえに行き脚もつくので、絶好のポジション取りが可能です。
一方、内枠の馬は外に出すにせよ、一度ポジションを下げてからの競馬となるので、直線で外を狙うにしても馬群を割る必要があり、圧倒的に不利かつ難しいレースとなります。
以上を踏まえると前走、イン有利の馬場で外枠を引いて外を回った馬、もしくは外が伸びる馬場状態で、内枠を引いて終始内を走った馬のなかで見どころがあった馬が狙い目となります。
いわば前回、逆ベクトルで走り、力を出し切れなかった馬で、今回最も恵まれる条件、枠に入った馬を狙い撃ちするのです。これは、全頭大きな実力差がない高知ファイナルレースでこそ使えるテクニックです。最低限、過去の馬場と過去の映像をチェックしたうえで個々の力を把握しておき、ファイナルに登場したタイミングで狙っていた馬から勝負することがベストです。
そこで、最も気を付ける必要があるのが、馬券の買い方です。1の条件好転馬を発見したとしても、馬券の買い方で失敗すれば元も子もありません。そもそも難解なレースだからこそオッズが割れるのであって、本命馬が1番人気だったとしても3連単の配当であれば万馬券になります。
しかし、難易度の高い人気薄の3連単を的中したとしても思った以上にオイシイ馬券とはなりません。要は、馬券購入者が馬券を手広く買うので、難易度が高いにも関わらず他のレースに比べて割に合った払戻金をゲットすることができないのです。
そういった状況ならば、軸馬1頭を的中すればいい単勝もしくは複勝1点厚めに購入。そして、無駄な馬券を買わずに確実にプラスとなるように馬券を組み立てたほうが、圧倒的に回収率向上につながります。
その際、たとえ軸馬が1番人気になろうとも単勝であれば300円台、複勝でも200円近く配当があるので、躊躇せずに回収率に徹して1点買いにします。私は◎が8割以上勝つ自信がある場合は単勝に、それ以下の場合は人気に問わず複勝1点にしています。とにかく、難しいレースほど欲を出さずにシンプルな馬券で。これに徹するだけでも相当回収率は上向いてくるはずです。この考え方こそが、2つ目のポイントになります。
上記の1と2をうまく実践すれば、回収率の大幅な改善が可能でしょう。そして、最後のポイントとして取り上げたいのが騎手についてです。これは実際に
サクラシャイニーなど多くの活躍馬を高知競馬で所有し、全国の競馬場で馬主として活躍する須田靖之さんにファイナルの件で取材した際も「ファイナルレースに出走する馬は速い時計を出す力が弱く、走る方向にベクトルが向いていない馬も多くいるから、ファイナルにおいては馬を鼓舞することに長けたジョッキーが狙い目となる」と話してくれたように、陣営目線でも騎手の重要性が高いと考えています。
【2019年ファイナルレース上位成績(1/1〜2/17)】
上田騎手[2-3-1-11]
西川騎手[2-1-0-9]
妹尾騎手[2-1-0-4]
郷間騎手[2-0-1-10]
実際に上記のデータを見てもわかるように、今年の高知ファイナルで2勝挙げているのは4人のジョッキー。上田騎手が2着の数で一歩リードしていますが、勝率面を考えると妹尾騎手も特筆すべき数字といえます。
その妹尾騎手は2018年のファイナルレースで年間[5-4-6-35]という成績を残しており、単勝3590円や5820円など人気薄での勝利もあります。単勝回収率は200%超で、複勝回収率でも160%以上を叩き出しています。
全体的に乗鞍こそ少ないものの、積極的に馬を動かし人気薄を持ってくる点においては評価できます。要は普通のレースとは違った傾向で、ファイナル向きの騎手と不向きの騎手がいるということです。
そもそも高知を含めたほとんどの
地方競馬では、騎手が馬の追い切りをこなします。調教において担当している馬でレースに出走することが多く、乗り替わりは
中央競馬や南関東と比較しても極端に少なくなります。
したがって、リーディング上位の赤岡騎手など良い馬を数多く乗りこなすジョッキーは、必然的にファイナルレースに出走すること自体が少なくなります。もちろん、腕のある騎手がファイナルに騎乗する場合は要注意といえます。
上田騎手や妹尾騎手のように過剰に人気しない割に、馬を動かす技術に長けたファイナルレース向きの騎手に狙いを定めることが回収率向上への一歩となるでしょう。ぜひ、今日からファイナルの妹尾騎手には注目して欲しいと思います。
とにかく、ファイナルレースは一般的にどのレースよりも難しいことは明白です。3連単でしっかり的中しようと思えば、細かい時計や馬の実力、騎手の動きや展開を読む力も必要となります。ただし回収率を向上させるのは、それほど難しいことではありません。
まずは単勝や複勝など、1頭が馬券に絡めば配当を手にすることができる買い方をチョイスする。勝負する馬は時計云々よりも、ファイナルレースに向いた騎手や条件が好転する馬に狙いを定める。一見単純に見えるようですが、これが一番効率の良いファイナル攻略法ではないでしょうか。ぜひ、高知ファイナルレースでファイナルファンタジーを掴んでください。
(文=倉本匠馬)
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