女性騎手の新減量ルールにより、今週末から3キロ減で騎乗する藤田菜七子騎手(21)=美浦・根本。土日の小倉では計17鞍(減量が適用される平場は13鞍)と、多くの馬が集まった。しかし、軽斤量が有利だからといって、何でも手を出せばもうかるほど単純ではない。そこで、“買える菜七子”と“買えない菜七子”を検証しようというのが今回のテーマ。適条件をしっかり狙い撃ち、賢く大枚をゲットしよう!(データはJRAのレースが対象)
減量の利く土日の平場レースで13鞍を集めた藤田菜七子。元からのアイドル的人気に加えて3キロ減も垂ぜんの好条件となったに違いないが、競馬ファンにとっては金になるか否かも興味の対象。何でも買えばもうかるわけではないことは、玄人でなくとも容易に分かる。では、どんな条件で菜七子を買うべきなのか。
まずはJRA騎手紅一点の評判を集めてみよう。東西トレセン関係者に聞いてみたところ、「当たりが柔らかい」「以前より追えるようになった」「ひときわ短いあぶみで乗れるように、
バランスがいい」と、スキルについておおむね評価は高い。しかし、「追いだす際、馬に遊ばれている時がある」「
コパノキッキングの調教時、キャンターで危なっかしいシーンが見られた」といった辛らつな意見もあった。
本来なら軽斤量はどんな場面でも大歓迎。ただし、中長距離戦では条件がつく。道中は絶えず馬を御し続ける必要があるからだ。「危なっかしい」なら折り合い難を抱える馬は当然マイナス。逆に追い通しになるようなズブい馬も、男性との体力差を考えると減量特典だけで相殺できるかは微妙と言える。
一方、ひと息で走れてしまう短距離戦では露骨に勝ち鞍がアップしそうだ。これまで菜七子が最も結果を出してきた距離は1000〜1300メートル。これが3キロ減効果によって、ただでさえうまいスタートは常に“
ロケットブースト状態”となる。得意条件はさらに得意…鬼となろう。ちなみに芝とダートでは、ダートが勝ち数、勝率ともに圧倒(芝16勝=2・8%、ダート34勝=4・2%)していた。
枠では8枠の勝率がトップ(5・9%)。前に行くにしろ追い込むにしろ、もまれにくい枠こそが力を存分に発揮できるという証左だ。「外枠で短距離ダート」なら、“菜七子無双”が繰り広げられたとしても全く驚けない。
提供:デイリースポーツ