「フィリーズR・G2」(10日、阪神)
桜花賞の切符を懸けた一戦は、JRA重賞では10年
オークスの
アパパネ、
サンテミリオン以来9年ぶりとなる1着同着。12番人気の
ノーワンと3番人気の
プールヴィルが重賞タイトルを分け合った。
ノーワンの
坂井瑠星騎手(21)=栗東・矢作=はうれしい重賞初制覇。3着には6番人気の
ジュランビルが入った。
小雨降るなか、長い写真判定の末、ターフビジョンに1着同着が表示された瞬間、場内には大きなどよめきが起こった。
大金星を挙げたのが12番人気の伏兵
ノーワン。スタートはやや後手に回ったが、中団のインでピタリと折り合うとそのまま直線へ。先行馬を見ながら、残り1Fを過ぎたあたりで進路を内に持ち出すと、あいたスペースをまるで糸を通すようにするりと突き抜け、最後は外から伸びた
プールヴィルと並んでゴールを駆け抜けた。
勝利に導いた坂井は検量室前で同着の結果を聞くと「やったー!」と一言。そばにいた笹田助手と握手を交わした。「際どくて(勝ったのか)分からなかったが、折り合いも距離も問題はなかった。緩い馬場でもこなしてくれたし、頑張ってくれました」と笑顔で振り返った。
鞍上は藤田菜七子と同じ16年デビュー。「まずはサポートしてくれた師匠に伝えたい」と所属厩舎の矢作師への感謝を口にした。6日の
フジノウェーブ記念(大井)を
キャプテンキングで制したばかりの父・
坂井英光騎手(43)=大井=にも、うれしい報告ができる。
昨年の海外武者修行の成果が“タイトル獲り”という最高の結果をもたらした。
ノーワンに桜の切符をプレゼントした若き新星が春に向けてさらなる歩みを進める。
提供:デイリースポーツ