4・14
皐月賞戦線もいよいよ佳境。今週は
スプリングSが行われるのだが…。重馬場施行の
弥生賞は8番人気の
メイショウテンゲンが制しており、このままだと本番は
サートゥルナーリアや
ダノンキングリーといった「非
トライアル組」の無敗馬が主役を張るムードが色濃くなってきた。果たして同じ中山を舞台にした
トライアルから有力馬は出現するのか?
希望的観測込みで今回の
スプリングSのメンバーを見渡すと、5戦のキャリアを持つ関東所属馬ながら、意外にも中山が初めての出走となる
エメラルファイトの存在が何とも気になる。
管理する相沢調教師は2005年に
ダンスインザモアで当レースを制覇。「
ディープインパクトと同じ年でね。初めて対決した
皐月賞(8着)のパドックでは、ウチの馬のほうがよほど良く見えたんだけど…」とトレーナーは冗談交じりに当時を振り返ったが、実は
ダンスインザモアの
スプリングS参戦も芝マイルの500万下(東京)を勝った直後。舞台が京都とはいえ、同じ芝マイルの500万下(白梅賞)勝ちから駒を進めてきた
エメラルファイトと過程はダブる。翌週の
毎日杯を視野に入れつつも「
皐月賞を目指すなら、
毎日杯よりもここ」と出走意思を固めた。
エメラルファイトのレースぶりを改めて見直すと、大外枠から出遅れながらも、メンバー最速上がりで追い上げた
朝日杯FS(6着)ほか、後手に回っても、最後までしぶとく脚を使う競馬ばかり。このあたりも
ダンスインザモアと重なるところだ。
「しまいは確実に脚を使える馬なんだよね。ゲートはこの中間もしっかり練習してきたから大丈夫だろう。馬体がしっかりしてきて状態もいいから、GIにつながるレースをしてほしいね。あとはジョッキーがうまく乗ってくれれば」(相沢調教師)
手綱を託すのは愛弟子の石川。この2人に関しては年明けの
京成杯に
カイザースクルーン(10着)で出走する際、当コラムで“年男”であることも絡めて紹介したが、コンビでの重賞挑戦は今年2度目。2人にとっても、当欄にとってもリベンジなるかという一戦だ。
石川にとってはアイビーS(3着)以来のコンビ復活。ここ2走は自身の手綱ではなかったが、「攻め馬にはずっと乗っていたので、具合の良さは感じていましたし、先につながる内容のある競馬をしてくれたと思っています。新馬戦のころは周りを気にしてガタつくところがあったのですが、今は成長して稽古でも落ち着いて乗れるようになってきました」。
所属騎手としてデビュー時からの状態の変化や癖、成長を知っているからこその手応えがある。
「今なら一番のセールスポイントは操縦性の高さと言っていいんじゃないかな。なので中山は合いますね。重賞でも通用すると思っています」と力強く締めくくった。
ちなみに
エメラルファイトを担当する佐藤美世人キュウ務員も年男。遅ればせながら春風の吹く季節に“年男旋風”が巻き起こりそうな予感がする。
(立川敬太)
東京スポーツ