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【勝負の分かれ目 高松宮記念】キングヘイローの後押しを感じた福永騎手の好騎乗。初の芝スプリント戦でミスターメロディが戴冠

  • 2019年03月24日(日) 20時00分
 空位となっているスプリント王を狙う18頭が、第49回高松宮記念のゲートを飛び出した。

 もっとも速いスタートを切ったのは、2年前の覇者セイウンコウセイだった。4番という内枠を利し、すんなりハナに立った。10番ラブカンプーがつづく。15番モズスーパーフレアは、これら2頭を外からじわっとかわし、ハナを取り切って3コーナーを回った。

 前半3ハロンは33秒2、後半3ハロンは34秒1。同じく良馬場だった昨年は前半33秒3、後半35秒2。稍重だった一昨年は33秒8、34秒9。良馬場で1分6秒7のレコードが出た3年前は32秒7、34秒0。

 乱ペースというほどではないが、淀みのない流れになった。

 1番人気のダノンスマッシュは先頭から3馬身ほど離れた4、5番手。福永祐一ミスターメロディはそれを外に見ながら、内で脚を溜めている。「いいところにハマることができました。初めての芝1200メートルで、スタートはよかったんだけど、じっとしていたら置いていかれそうなので、促していきました」と福永。

 モズスーパーフレアが先頭のまま直線へ。

 ラスト400メートル。まだモズスーパーフレアには余裕があるように見える。外からセイウンコウセイが並びかける。これら2頭の間にミスターメロディは進路を取った。「直線に向くと、いいタイミングでスペースができた。慌てず、自分のタイミングで追い出しました。やりたい競馬ができた。最後は、馬が頑張ってくれれば、とだけ思っていました」

 そう話した福永の右ステッキを受け、ミスターメロディは力強く脚を伸ばした。

 ラスト100メートルあたりで体半分ほど抜け出し、外のセイウンコウセイと内のショウナンアンセムの追い上げを振り切り、先頭でゴールを駆け抜けた。

 半馬身差の2着はセイウンコウセイ、頭差の3着はショウナンアンセムダノンスマッシュはそこから半馬身遅れた4着。2番人気のモズスーパーフレアは15着に沈んだ。

 今週の火曜日に世を去った、かつての騎乗馬キングヘイローについて、福永はこう話した。

「レース後、思いました。キングヘイローが後押ししてくれたのかな、と。そういうの、あるんですかね」ダノンスマッシュは、課題とされていた左回りを克服し切れなかったのか。モズスーパーフレアは、オーバーペースだったというより、一流馬からのプレッシャーで消耗してしまったように見えた。

(文:島田明宏)

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