今年からリステッド競走が新設され、出走
ボーダーラインも1600万円とやや高めな一戦となっている今年の
桜花賞。そんななか前哨戦で好走して本番へ挑む馬たちとコンビを組むパートナーのなかには、悲願の
JRA・GIタイトル獲得がかかる騎手も。そこで今週は今なお活躍する現役ジョッキーのなかで、GI初制覇を
桜花賞で飾った騎手たちをご紹介していきます。
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プリモディーネ チューリップ賞4着からの逆襲劇
1996年に福永洋一元騎手の息子として注目を集めるなかデビューを果たした
福永祐一騎手。初騎乗で勝利を挙げ、続く2戦目で連勝と圧巻のデビューとなった。そんな福永騎手は同年10月の
秋華賞でGI初騎乗。その後、
キングヘイローでの1998年
皐月賞2着などを経て、26回目のGI挑戦となった1999年の
桜花賞を迎える。
福永騎手がパートナーを組んだのは
プリモディーネ。新馬戦で騎乗した
幸英明騎手から乗り替わり、テン乗りで見事
ファンタジーSを制し重賞初制覇。それから挑んだ前哨戦の
チューリップ賞は伸びきれずに4着で本番へ駒を進めた。
その年の有力馬は岡部幸雄騎手が騎乗する
スティンガー、
武豊騎手の
フサイチエアデール、
河内洋騎手の
ゴッドインチーフなど。
プリモディーネはこの3頭に続く4番人気だった。
レースは1番人気の
スティンガーが出遅れる幕開けに。14番枠からスタートした
プリモディーネは後方からレースを進め脚をためる作戦に。その外には
フサイチエアデール、それらの後ろに
スティンガーと有力馬がお互いを見ながらけん制しあうように3〜4コーナーへ。
先に外目を押し上げていった
武豊騎手騎乗の
フサイチエアデールについていくようにそのまま直線を迎えると、残り200mを切ったあたりで逃げ粘る
トゥザヴィクトリー、それを交わしにかかる
フサイチエアデールを一気に抜き去り先頭へ。そこから追い詰める馬はおらず、1馬身半差の完勝を収めた。2着に
フサイチエアデール武豊騎手、3着に
トゥザヴィクトリー幸英明騎手での入線となった。
これが
桜花賞初参戦となった
福永祐一騎手。当時デビュー4年目の若手ながら大舞台でじっくり脚をため、直線まで追い出しを我慢する冷静な好騎乗が光る一戦となった。