今年からリステッド競走が新設され、出走
ボーダーラインも1600万円とやや高めな一戦となった今年の
桜花賞。そんななか前哨戦で好走して本番へ挑む馬たちとコンビを組むパートナーのなかには、悲願の
JRA・GIタイトル獲得がかかる騎手も。そこで今週は今なお活躍する現役ジョッキーのなかで、GI初制覇を
桜花賞で飾った騎手たちをご紹介していきます。
■混戦ムードの2002年
アローキャリーはキャリア12戦目での出走
池添謙一騎手のデビューは1998年3月。GI初騎乗となった2000年の
秋華賞(
ヤマカツスズランで2着)から現在に至るまでで、
JRA・GIを24勝、
グランプリレースでは史上最多タイの7勝と無類の勝負強さを発揮し続けてきた。
そんな池添騎手のGI初制覇はデビュー5年目、13回目でのGI挑戦だった。パートナーを組んだ
アローキャリーは前走
アネモネS8着の人気薄、しかも
桜花賞がテン乗りのなかで手にしたGI初タイトルは、いかにも大舞台に強い池添騎手らしさを感じさせる一戦となった。
その年の上位人気馬は、岡部幸雄騎手が鞍上を務めた
シャイニンルビーや後藤浩輝騎手の
オースミコスモとなっていたが、
トライアル戦で人気薄が立て続けに勝利しており、単勝オッズ的にも混戦ムードの一戦に。
15番枠からゲートを切った
アローキャリーと池添騎手は、これまで逃げを打っていた戦法を変え番手の競馬に。前に馬がいる状況でもしっかりと折り合い、2列目のポケットに入る絶好の位置につけた。レースは平均ペースで進みそのまま直線へ。
先に抜け出した
M.デムーロ騎手の
ヘルスウォールを200mあたりで捉えて先頭に立つと、後続から1番人気の
シャイニンルビーらが追い込んでくるが、セーフティーリードを保ちそのままゴール。
レース後、勝利の余韻に浸るかのように、
ガッツポーズを見せ喜びを爆発させた池添騎手。伏兵をテン乗りで持ってきた勝負強さだけでなく、これまでの逃げから戦法を変え、そつのないレース運びでものにした初勝利であった。