カリフォルニア州のサンタ
アニタ競馬場で4月12日(金曜日)に行われる開催で、すべてのジョッキーが全レースにおいてムチを持たずにレースに臨むことになった。
昨年暮れの冬春開催スタートから2か月余りの間に、実戦と調教を合計して23頭のも現役馬が故障を発症して安楽死処分となり、ほぼ4週間にわたって競馬開催がストップしたのがサンタ
アニタである。馬場の改修が行われただけでなく、レース中の薬物使用を大幅に厳格化するなど、動物保護の見地に立ったいくつかのルール改正を施すことで、3月29日の競馬再開にこぎつけていた。
騎手によるムチの使用についても、クッション性の高い素材を使い、ゴール前での連続使用は3度までと取り決められたが、今後の方向性としては、ムチは馬と人の安全を確保するために必要な時のみ使用することとするとの申し合わせが、関係各所の間で出来合っていた。
こうした趨勢を受け、騎手による組合であるジョッキーズ・ギルドが、ムチを持たずに騎乗する開催日を試験的に設けることを決め、その旨を、
カリフォルニア州競馬協会、サンタ
アニタ競馬場、馬主協会、調教師協会などに、文書で通達を行ったものだ。
4月12日の開催では、レースが終わるごとにジョッキーたちから事情聴取が行われる他、出走馬のダメージがどれだけ軽減されるのかなど、科学的見地からのデータ収集も行われる予定となっている。
(文:合田直弘)