今週水曜、栗東トレセンは結構な雨降りでした。途中、みぞれが混じっていた!という声もあがるほど冷え込んでいましたね。そんな中、先週の
ダノンファンタジーに続いて芝コースで追い切りをかけられたのは
皐月賞に出走する
ヴェロックスでした。
当初はCWコースで追い切る予定だった
ヴェロックス。これが変更になって芝で追い切られたわけですが、こういった"GI出走馬の予定変更"を怪訝に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、大丈夫。中内田厩舎では、わりとよくあることなんです。中内田師は自ら日々調教に騎乗して参加されており、その上で実際に馬場をその眼と馬上からの感触で確かめています。そして、その時々のコンディションを見極めて都度変更しているんです。
「この日は天気が良くなかったので、CWコースより芝コースのほうが状態が良さそうでしたからそちらを選びました。中山への輸送もありますし、そこまで負荷をかけたくなかったんです。そのあたりを考慮しての変更でしたが、時計は予定どおりでした」(中内田師)
なるほど。馬への負荷の塩梅を第一優先に考えてコンディションをつくっているのですね。中内田厩舎はわりと日々こんなかんじで、あらかじめ決めたスケジュールをこなすのではなく、天候などの自然現象も含めて常にベストな状態を常に肌で感じ取りながら調整を進めています。
「
ヴェロックスは成長段階でいうとまだまだです。そのあたりも含めて少し間隔をあけながら大事に走らせてきました。競馬を使うごとに
ヴェロックス自身が競馬というものを理解して勉強してくれて良くなっていますよ」(中内田師)
2歳戦をはじめ、
若駒Sや
若葉Sで学んだことがクラシックの舞台で生きてくる。そう感じさせる1頭です。
(取材・文:花岡貴子)