日経新春杯(GII・1着)から
天皇賞(春)に向かう
グローリーヴェイズ(牡4、美浦・
尾関知人)が、初コンビを組む
戸崎圭太騎手を背にウッドチップコースで最終追い切りを行った。追い切りを終えて、戸崎騎手と尾関調教師が共同記者会見が臨んだ。
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戸崎圭太騎手(今日初めて跨ってみての第一印象は?)
「本当に賢い馬でやることもわかっているという感じで、とても乗りやすかったです」
(元々持っていた印象と違ったところは?)
「レース映像を見ましたが、レースでも乗りやすそうだなという感じはしていました。(今日は)それ以上に乗りやすさを感じて、何の問題もないと思いました」
(3頭併せの真ん中での追い切りだったが?)
「先週しっかりやっているということで、今週は僕がコンタクトを取れればいいかなと、馬の反応を見る程度でした。状態の良さも感じましたし、良いコンタクトが取れました」
(この4歳世代はレベル高いと言われているが、この馬もそれに違わぬ馬?)
「そうですね。気が入ってからはすごい躍動感があって、良い脚を見せてくれるのではないかなという走りでした」
(長丁場となるが、どのような競馬が理想?)
「何となくイメージはありますけど。皆同じだと思いますが、距離が長いのであまり外を回りたくないので、枠順は内を取れたらいいなと思います。あとは本当に良い脚を持っていそうなので、その辺を生かしたいです。乗りやすいので、どこからでもいいのかなというのもありますね」
(急遽この馬の騎乗依頼が来て、意気込みのほどは?)
「元々
シャケトラという馬で臨む予定だったのですけど、ああいう形になって本当に残念な思いなのですが、またこのように乗れるということですごくありがたく思います。また天皇賞ということで、平成の最後を飾れたらとは思っていますね」
■尾関調教師
(戸崎騎手がすごく乗りやすい馬と話をしていたが?)
「そうですね、大きいセールスポイントだと思います」
(今日の調教のテーマは?)
「先週しっかり負荷をかけて中身ができているところまで持ってきていますので、レースに向けて無駄な疲れが残らないようなイメージと、その中で気持ちを少し競馬に向けて上げていければなという感じだったのですが、イメージ通りの追い切りになったと思います」
(3頭併せの真ん中での追い切りだったが?)
「当該週に使う馬の組み合わせなどもあるのですけど、時計で負荷をかけるよりも、そういう内容面で気持ちを競馬に向けていくというイメージでした。時計的にも速くなり過ぎず、遅くなり過ぎず、反応もしっかりしていて良かったと思います」
(放牧から戻ってきてからの調整過程は?)
「前走の
日経新春杯の後、それなりに疲れが出た部分がありました。牧場にも見に行って確認もしていましたし、うまく牧場でもケアをしてもらったので、そのあたりを引き継いでそこを気をつけながら、馬の状態を慎重に確認しながら進めていったのですけど、本当に順調にここまで来れたと思います」
(
菊花賞5着、
日経新春杯は優勝して、今度は天皇賞という長距離の最高峰に改めて挑むその心境は?)
「この馬が純然たるステイヤーかというとそうとも言い切れない部分はあると思いますが、昔で言うと
クシロキング(1986年、
天皇賞・春優勝)のようなイメージの操縦性の高さで、名ジョッキーを鞍上に攻めた競馬ができたらいいのかなと思っています」
(戸崎騎手とレースに向けての打ち合わせをする予定は?)
「馬の感触や操縦性は掴んでもらったと思うので、直前に馬場状態などをいろいろ見ながら、相談したいなと思っています」
(かなり混戦ムードだが?)
「
菊花賞上位(
フィエールマン、
エタリオウ、
ユーキャンスマイル)の馬はみな出てきますが、その後この馬も成長してしっかりタイトルを掴んでくれました。良い勝ち方ではあったのですけど、その時の斤量が55キロだったのが、今度は58キロといろいろ課題はあると思うので、
チャレンジャーのつもりでいます」
(尾関厩舎のこれまでのGI勝利は
レッドファルクスでの1200m戦だったが?)
「そうですね。この子も母の父に
スウェプトオーヴァーボードが入っているので、縁があるなと思います。大久保(洋吉)先生のところで調教助手をしていた時からお世話になっていたメジロ牧場の、天皇賞を目指すために積み上げてきたような血統がこの馬に繋がってくるので、そういう部分でも楽しみです」
(そのような血統のロマンを感じさせるレースができれば?)
「そういう部分で皆さんに応援して頂いて、後押しして頂けたらいいなと思います」
(平成最後の天皇賞になるが?)
「そうですね、平成の天皇賞といえば
メジロマックイーン(1991年、92年、
天皇賞・春連覇)が思い浮かびます。(メジロでもこの馬と
マックイーンは)血統的には繋がりはないですけど、メジロ牧場の血統がこの馬に結集した部分もありますし、自分も競馬ファンでしたからそういうロマンもありますので、是非応援して頂きたいです。まだ成長しているので、令和の時代も頑張ってくれると思います」
(尾関先生のインタビューが平成最後の美浦の共同記者会見となりました)
「光栄です(笑)」
(取材・文:佐々木祥恵)