「
ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京)
神様、仏様、レーン様!5番人気の
ノームコアが、驚がくの日本レコードで春のマイル女王決定戦を制圧。手綱を取った
ダミアン・レーン騎手(25)=豪州=にとってうれしいJRA・G1初制覇となった。ルメールの騎乗停止により巡ってきたチャンスを、きっちりとモノにした豪州の若武者。有力馬の騎乗が控える
オークス、ダービーでも大任を果たしてくれそうだ。
外から迫る
プリモシーンの猛追を首差しのぐと、レーンは
ノームコアの背で振り回していたステッキを天に突き上げた。圧巻の日本レコード1分30秒5。「究極の普通」という名を与えられた4歳牝馬が、事もなげに究極のV時計で混戦を断った。
4月27日からの短期免許取得からわずか3週目。前日の京王杯SCを
タワーオブロンドンで制し、返す刀で奪取したタイトルは、鞍上にとってうれしいJRA・G1初制覇となった。「日本でももちろん初めてだが(地元の)
オーストラリアの外でG1を勝ったことがなかった。来日の機会をもらえたことに感謝しているし、この素晴らしい雰囲気の中で乗れることに感激している」と笑みを浮かべた。
狙い澄ました位置取りだった。五分にゲートを出ると先行争いを一顧だにせず内に寄せ、
ラッキーライラックの直後へ。「レース前に何頭か印象の強い馬をリストアップしておいた。ちょうどついて行くことができて、スムーズな競馬ができたね。手応えが良かったから、直線で前があけば勝ち負けだと思って乗っていたよ」。事前に立てた作戦がバッチリはまった格好だ。
開催日にしてわずか7日で重賞3勝を含む13勝。これには萩原師も「今の実績を見ていると、任せて、ジョッキーの感覚でやってもらおうと思っていた」。あえて注文を出さず、全幅の信頼を寄せていたという。馬については「まだこれから伸びる余地がある。適性が分かりにくいが、いろいろレースを使ってみてと思っている」と幅広い舞台での活躍を想定しているようだ。
豪州の若武者にはこの後も大役が待つ。
オークスでは有力馬の一角
コントラチェック、そしてダービーでは無敗の
皐月賞馬
サートゥルナーリアの手綱を握る。「いいスタートが切れている。こんな調子が続いていけばいいね」。乗れば勝つといったこの勢いは、もう誰にも止められそうにない。
提供:デイリースポーツ