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サートゥルナーリアを管理する角居勝彦厩舎・
辻野泰之調教助手の話
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皐月賞を振り返ってください。
辻野 年明けから競馬を走っていなかったので、そのあたりがレースに行ってどう出るかな、と心配なところはあったのですが。終わってみれば、外をまわってしっかり差し切ってくれたという強い内容で勝ってくれました。
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皐月賞は8割も力を出していなかったのではないか、と言われていましたが?
辻野 そうですね。そのあたりはジョッキーも目いっぱい追ってくれていたと思うんですけど、最後はちょっとスタンドに物見をして他の馬に迷惑をかけてしまったあたりはちょっとまだ幼いところが残ってるんだなぁというのは感じています。
――まだ100%とはいえない?
辻野 そうですね。まだがむしゃらには走っていないんじゃないかな、というふうには感じています。
――中5週、この中間の調整は?
辻野 レース後は2週間ほどノーザン
ファームしがらきのほうにリフレッシュ放牧に出しました。レースの3週間前にこちらに帰ってきています。追い切るごとに体のハリもよくなってきていますし、いい状態でレースに向かえるんじゃないかと思っています。
――1週前追い切りはレーン騎手が跨って追い切り。今週は厩舎スタッフによる併せ馬でしたね?
辻野 感触を確かめてもらうという目的でレーン騎手に乗ってもらいました。全体的にゆっくりな流れの追い切りになりました。(先週の1週前)追い切り後の馬体を見てもう一段階負荷をかけられる状態になってきたのかな、という判断で、今週は先週よりももう少し負荷を強めた追い切りを行いました。
CWコースで後ろから外をまわしたんですけど、直前まで馬の後ろでしっかり我慢できていましたし、加速してからの脚も本当に相変わらずいい動きをしてくれていました。いい状態でレースに臨めると思います。
――さらに良くなった状態でダービーに臨めそうでしょうか?
辻野 はい。
皐月賞の前よりもいい意味でゆとりのある体つきになってきてくれているので、本当にいい精神状態と馬体でレースに行けそうですね。
――レーン騎手はどのようなことを話していますか?
辻野 ストロングホースだということと、イメージどおりだ、というコメントをいただきました。追い切りもいい感触を持っていただけたと思います。
――レーン騎手と相性の良さは感じましたか?
辻野 こちらのお願いしたとおりに調教に乗ってきてくれました。まじめなジョッキーさんだなと感じたので、ちょっと子供っぽいこの馬には合っているんじゃないかと思います。ビデオを見て研究してくれているそうですし、こちらから特に指示やリク
エストはないと思うんですけれども。とにかく馬の力を出し切るレースをして欲しいと思います。
――東京の2400mという舞台は?
辻野 もともと左トモの推進力が強く右手前が好きな馬ですので、左回りに関しては心配はしていないんですけれども。距離に関してましては、やはり初めて走りますし落ち着いて走れる仔なのでこなしてくれるとは思っているんですけれども。そこは走ってみないと、というところでもあります。
――血統的にはいかがでしょうか?
辻野 お母さん(
シーザリオ)は
オークスを勝ってくれていますし、お兄さんの
エピファネイアは
ジャパンカップで強いパフォーマンスをみせてくれていますので、もしかしたら最適な舞台なのかとも思えます。力は出してくれるのではないか、と思います。
――相手関係は?
辻野
皐月賞で接戦を演じた2頭は強いと思います。ほかの馬たちもダービーという舞台に向けて目いっぱい馬をつくってくると思うので、どの馬にも警戒は怠れないな、と思っています。
――最後に意気込みを。
辻野 二冠の資格を持ってダービーに臨めるのはこの馬だけですし、僕ら関係者もファンの皆様も期待されていると思いますので、一生懸命最後まで走ってもらいたいな、と思っています。
(取材・文:花岡貴子)