ゆかりの地で初の親子ワンツー決着となった。
23日、
園田競馬場で
JRA交流・
猪名川特別に父・
岩田康誠騎手と息子・望来騎手が騎乗。好スタートを決めて内から康誠騎手がハナを奪うと、外から押して望来騎手が3番手につけた。3コーナー手前から望来騎手が追い上げを開始し、4コーナーで康誠騎手に並びかけると直線はピッタリ馬体を併せての叩き合い。ゴール直前、望来騎手が半馬身前に出て勝利した。
「父の地元で初めての親子ワンツーをできてよかったです。(
藤原英昭)先生から『2〜3番手を取れるように』と言われていたので、スタートしてから加速がつくまで追っていって3番手につけられました。父が先頭で走っているのは見えていたのですが、4コーナーでは『負けない!』という気持ちで必死に追っていました。父に勝ったということではなく、1つのレースに勝つことができてよかったです」
この日はエキストラ騎乗で地元馬6頭にも騎乗。直前の9Rでは
オニチャンで園田初勝利を挙げた。管理する
新子雅司調教師は厩務員時代、康誠騎手と同厩舎に所属していた。「岩田(康誠)さんの園田での自厩舎最後の騎乗が私の担当馬で、それを勝ったんです」。そんなつながりがあり、望来騎手のデビュー直後から園田での騎乗を楽しみにしていた1人。6馬身差の逃げ切り勝ちを見届けると「逃げても落ち着いて乗っていましたね」と笑顔で口取り写真に収まった。
検量室では地元ジョッキーや調教師たちから「赤ちゃんの頃から知ってるんやで」「康誠も息子と乗れて、いいなぁ」「お父さんと後ろ姿や腕の感じがそっくり!」などの声が上がった。
「
園田競馬場に住んでいたのは5歳までですが、薄っすらと競馬場の景色を覚えています。やっと園田で騎乗することができて、しかも2連勝をさせていただきました。今後も機会があれば乗りに来て勝ちたいです。父は越えなければならない目標だと思っています。今後は
JRAでも園田でも、ワンツーで僕が1着を取れるようがんばります」
ファンも地元関係者も待ち望んだ初の親子騎乗はワンツーフィニッシュのアツい結果となった。
(取材・文:大恵陽子)