東京ダービー制覇に執念を燃やす、大井の帝王・
的場文男騎手が、負傷でまさかの不参戦となったが、出走馬は例年以上のハイレベル。どの馬にとっても、2000mは未知の距離だけに、中間の調整や鞍上の手綱さばきが重要となる。また、
船橋競馬場はコースの改修中で、所属馬の調整が内馬場のみで行われているのがポイントとなりそうだ。
とはいえ、SI
羽田盃で異次元の強さを見せた
ミューチャリーは外せない。後方追走から、直線でメンバー最速の上がりをマーク。2着に5馬身差つけての圧勝だった。その走りからも、「距離延長は問題ない」と矢野義調教師。2つめの南関クラシック制覇を狙っている。
羽田盃では離された2着に泣いた
ウィンターフェルだが、この馬自身も3着に2馬身半差つけている。この時、これまで使用していたチークピーシーズを外して参戦。レース後、その効果を鞍上の
森泰斗騎手は感じており、「距離は延びたほうがいいからね。次は逆転したい」と反撃を狙っていた。川島一調教師は「
ミューチャリーより前で競馬をする」と作戦を立てている。
カジノフォンテン。母は現役時代、交流GIIの
エンプレス杯を制した
ジーナフォンテンという良血だ。「前走(
羽田盃)は勝ち馬が強かったが、2〜4着の力差はないと思っている。展開ひとつ。先手を取って、自分のペースで入れれば」と山下之調教師。34歳の若きトレーナーの挑戦に注目だ。
さらに、東京湾Cの覇者・
サクセッサーなども目が離せない存在。これら船橋勢を中心に、前走はレース中の鼻出血で力を出し切れなかった
ヒカリオーソや、ダービー
トライアルを勝って、ここへの権利をものにした
ゴールドプリンスも距離延長への心配はなく、警戒が必要だ。
(取材・文=「スポーツ報知」記者・志賀浩子)