今年の第24回
ユニコーンステークスは、禁止薬物を摂取した可能性がある2頭が競走除外となり、13頭によって争われた。
ゲートが開いた。
福永祐一の
ワイドファラオは1枠1番から速いスタートを切り、外の
ヴァニラアイス、
イメルらと並走する格好でダートコースに入った。
「最内枠が当たってしまったので、行くか、控えるか、スタート次第で決めようと思っていました。いつもどおりいいスタートを切ってくれましたね。あそこから抑えるとリズムが崩れるので、そのまま行きました」と福永。
デビュー5戦目の今回が初ダートだったのだが、鞍上が軽く促すだけで、砂をかぶらない絶好の位置を確保した。
その
ワイドファラオが半馬身ほどのリードを取って3コーナーに入った。
そのまま4コーナーを回り、直線へ。
外から
ヴァニラアイス、内から
イメル、
エルモンストロらが伸びてくる。
しかし、
ワイドファラオは抜かせず、ラスト400m地点から突き放しにかかる。
先行勢は振り落とした。が、外から
ミルコ・デムーロの
デュープロセスが凄まじい脚で襲いかかってくる。
ラスト200m付近から、内の
ワイドファラオと外の
デュープロセスのマッチレースとなった。
すぐにも
デュープロセスがかわしそうに見えたが、並びかけられると
ワイドファラオがもうひと伸びして抜かせない。
激しい叩き合いを、内の
ワイドファラオが頭差でしのぎ切った。福永はパートナーをこう讃えた。
「気持ちが強くて、勝負根性がある。手応えはよくなかったし、脚が上がっていたのに、頑張ってくれました」
勝ちタイムは1分35秒5。
4月の
ニュージーランドトロフィーに次ぐ重賞2勝目をマークした。
「最初からオーナーにはダートがいいですと言っていたので、それが証明されてよかったです。初ダートで重賞勝ちというのは、
メイショウボーラーもそうでした。あの馬のように、GIまで行ってほしいですね」と福永。
メイショウボーラーは、4歳時の2005年1月の
ガーネットステークスが初ダートとなり、そのまま3連勝で同年の
フェブラリーステークスを制した。
先々が楽しみな、ダートのニューヒーローが誕生した。
(文:島田明宏)