地方競馬「ダービーシリーズ2019」の大トリ飾る平地競馬「最北のダービー」。前走、一冠目「
北斗盃H2」を3馬身差で他を圧倒し、今季無傷の4連勝で「二冠」狙う
リンゾウチャネル(牡3、
堂山芳則厩舎。父
モンテロッソ)が、全国の注目を一身に集めることになりそうだ。
2歳時の昨年9月、初の遠征だった盛岡・
ジュニアグランプリM1(芝1600m)で1番人気に応え、初タイトル。その後も続けて遠征で強敵に挑み、10月
鎌倉記念SII(川崎1500m)では後に
羽田盃SIを5馬身差で圧倒する
ミューチャリーの2着。11月の
兵庫ジュニアグランプリJpnII(園田1400m)では、後にUAEダービーで4着と健闘する
デルマルーヴルの5着に踏ん張るなど素質の高さを全国に強く印象づけた。
それら強敵に揉まれた経験を糧に、3歳となった今季は開幕から他を寄せ付けない走りを披露。特に圧巻だったのは2走前のA3−2組下特別
キズナ・プレミアム(門別1800m)だ。歴戦の古馬に初めて胸を借りる一戦となったわけだが、重賞入着歴もある2着
クラバズーカー以下を軽くひと捻り。斤量53キロの恩恵もあったろうが、それでもマイペースで逃げて道中一度も影すら踏ませない5馬身差の圧倒劇は、4年前、同じく古馬初挑戦で
ナリタボルト以下を6馬身ちぎった
オヤコダカを彷彿させる圧巻の走りだった。
そして迎えた一冠目・
北斗盃H2。
ジョウラン(2着)や
スティールティアラ(14着)らテンに速い同型が揃ったことで序盤の出方が注目されたが、好発もすんなりその2頭を前に行かせ道中は虎視眈々。3コーナーから馬なりで加速していくと、4コーナーでは楽に
ジョウランに並びかけ、内回りの短い直線でも余裕十分に3馬身の差をつけた。2着以下との実力差は歴然で、達成すれば2010年
クラキンコ(牝・
堂山芳則厩舎、
父クラキングオー)以来史上5頭目となる「三冠馬」(
北斗盃/
北海優駿<ダービー>/
王冠賞)への視界が、大きく開ける戴冠だった。
このように2歳時からの戦歴を振り返ってみると、全国の地方3歳馬の中でもトップクラスに位置づけられ得る力があることを認識していただけるのでは、と思う。今回は未知の領域である「外回り2000m」での大一番だが、前走・
北斗盃で披露した道中の折り合い、2走前の古馬初対戦でも示した外回り中距離での息の長い末脚を見れば、未知への懸念は杞憂に終わりそうだ。直前の著しい体調変化や、大出遅れなど思わぬアク
シデント等さえなければ「二冠達成」の期待に応えてくれる可能性が高いとみる。
今回は出走10頭すべてが「前走・
北斗盃」という、見事なまでの再戦メンバー。ただ、外回りコースに替わるだけに、
北斗盃で内回りが不利に働いたと思われる面々の上積みには警戒しておきたい。当欄の見立てでは、外回りでの“加算”を期待できそうなのが
北斗盃5着の
リンノレジェンド(牡3・
林和弘厩舎、父
トビーズコーナー)と同3着
シベリアンプラウド(牡3・
田中淳司厩舎、父
トーセンホマレボシ)だ。
北斗盃2着
ジョウランは、前走同様
リンゾウチャネルに早めに並びかけられてしまうと長い直線で失速を余儀なくされる懸念が小さくない。
JRA時の2勝も福島ダ1150m(2歳新馬)と中山ダ1200m(2歳500万円以下)で、一気の400m延長をクリアできるかが課題になるだろう。
いずれにせよ、上位人気に推されるだろう各馬が、その期待に応える走りを見せてくれるだろう可能性が高いと
ジャッジする。
19日(水)門別12レース。発走時刻は20時40分、お見逃しなく!
(文=ひだか応援隊)