5月21日の大井競馬第6Rで落馬負傷し、今月19日の船橋競馬で騎乗を再開した
的場文男騎手(62)は、28日の大井競馬第3Rで復帰後初勝利を挙げた。これで同騎手は
地方競馬通算7226勝、
中央競馬と海外競馬の5勝を足して通算7231勝目となった。
佐々木竹見元騎手の持つ通算勝利数記録を的場騎手が超えたときにも取り上げたように、その2018年8月の記録更新は日本国内だけでなく、“騎手の通算勝利数の世界ランキングで10位と9位が入れ替わるということ”であった。あれから約1年、的場騎手の勝利数はさらなる世界ランクの上位をも射程圏内に入れている。
現在第8位のアメリカのエドガー・プラード騎手(52)はペルーでのデビュー後、1986年からアメリカで騎乗を開始、現在はフロリダを拠点にしている。代表騎乗馬として2006年の
ケンタッキーダービー馬である
バーバロなどがいる。そのプラード騎手は通算7326勝(ペルー、日本他での勝鞍含む)で今年は68戦7勝という成績であることから、昨年年間114勝を挙げた
的場文男騎手が世界8位に躍り出るのはそう遠くないことと思われる。
また、現在第7位のデヴィッド・ゴール騎手(77)はカナダでのデビュー後、アメリカで騎乗し、1999年の引退までに7396勝を挙げた。的場騎手との差は165勝で、こちらも十分に射程圏内に入っている。
南米諸国の競馬の記録は競馬場毎の管理となっていることが多く、競馬記録管理者によっては、アルゼンチンの
パブロ・ファレロ騎手の母国ウルグアイでの920勝が認められず、カウントされていないというケースなども存在する。当然、通算勝利数の順位もそういった立場・解釈の違いによって変わってくる。そのため、国際的にはジョッキーの勝利数記録を殊更に議論しない風潮があるということは付け加えておきたい。それでも、日本でもっとも多く勝っている騎手である
的場文男騎手の勝利数が、現在進行系で世界ランキングの最上位に影響を与えているということは、覚えておきたい。
(記事協力:高橋正和)