24日の午後、
ウインバリアシオンの現役時代に厩務員として担当していた竹邑さんが自分のスマホを見てびっくりしました。青森で種牡馬になった
ウインバリアシオンを繋養しているス
プリング
ファームの佐々木さんに電話を誤発信してしまったのです。
「用事もないのに、これはいけない」と、あわてて電話を切る竹邑さん。
しかし、5分後に佐々木さんから折り返しの着信があったそうです。すぐに「申し訳ない」と言い世間話をして切るはずが…。
「ちょうどよかった!これからバリの仔がホッカイドウ競馬で走るんですよ。
JRAの認定競走です。結構人気になっていますよ」と佐々木さんの明るい声。
そして、そこからさらに1時間後。
ウインバリアシオン産駒の
ティーズリープ(牝2、北海道・
小野望厩舎)が勝ったという喜びを分かち合うことになるとは…。
「こんなことってあるんだね。バリの仔が道営で人気になってるなんて知らなかったのに、スマホを誤発信したおかげですぐに知ることが出来た。とにかく、もう凄く嬉しい!」と竹邑さんはまさに手放しで喜んでいました。もちろん、わたしも嬉しかったです。
レースのVTRを一緒に見たのですが、ゲートの出が良くなくてモッサリしているけれど、終いは突っ込んでくる、といった様子も
ウインバリアシオンを彷彿させるものがありました。ダートの1000m戦でひとまくりの競馬をしながらも、最後は鞍上も持ったまま。
勝ったのは
JRAの認定競走なので、次走は
JRAの芝のレースに登場するかもしませんね!
「しかも、
ティーズリープの母の父が
サニングデール。
サニングデールは自分が所属していた瀬戸口厩舎の馬だからね。こういったところにも縁を感じるよ」(竹邑さん)
ちなみに
ウインバリアシオンの初年度産駒は約20頭なんです。そんな数少ない産駒のうち、これまでデビューしたのが中央と地方をあわせて4頭。出走は延べ6戦目での勝利となりました。
「とにかく初勝利が欲しかったので、ホッとしました」とス
プリング
ファームの佐々木さん。
オルフェーヴルもそうですが、実際にレースをたくさん見てきた馬たちの子供がこうやって頑張っている様子を見れるのは本当に嬉しいですね。そして、これがあるから競馬がやめられないんです。
(取材・文:花岡貴子)