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【ディープ追悼・2006年有馬記念】前年の雪辱を果たしラストランを圧勝 「飛ぶ」走りの集大成

  • 2019年08月01日(木) 19時03分
 2019年7月30日、史上2頭目の無敗の三冠馬・ディープインパクトが17歳でこの世を去った。現役時代はすべての国内レースで上がり最速をマークする圧倒的な末脚を武器に通算14戦12勝という成績を残し、GI勝利は「7」を数えた。また、種牡馬としてもその強さを産駒に伝え、5頭のダービー馬をはじめ多くのGIホースの父となり、既に産駒のJRA・GI勝利数は「51」。現役時代と同様に、日本競馬界を牽引してきた。

 今回はこの稀代の名馬への追悼企画として、新馬戦からラストランとなった有馬記念まで、ディープインパクトの現役時代全14戦を改めて振り返る。

■2年連続のファン投票1位に応え、暮れのグランプリを制す

 この年の有馬記念ファン投票でディープインパクトは119,940票を獲得。前年の同レース、同年の宝塚記念に続き3回連続でグランプリのファン投票1位となった。ここがラストランとなることが決まっていたディープインパクトにとって、有馬記念は前年に国内で唯一の敗戦を喫した舞台でもあり、忘れ物を取りに行くレースでもあった。

 ディープインパクトの単勝支持率は70.1%、単勝オッズは1.2倍と今回も断然人気。同年のクラシック二冠馬メイショウサムソン、同じくクラシックを沸かせたドリームパスポート天皇賞・秋マイルCSを連勝中のダイワメジャーらが出走していたが、2番人気のドリームパスポートでさえ単勝オッズは13.1倍と、この稀代の名馬が有終の美を飾ることを、誰もが疑っていなかった。

 2006年12月24日、15時25分。第51回有馬記念のゲートが開いた。

 いつものように後方から進めるディープインパクト。それより後ろに位置するのはスイープトウショウスウィフトカレントのみだった。引き離した逃げとなったのは、この年の日本ダービー菊花賞でも逃げの手に出て2・3着となったアドマイヤメインだ。

 縦長の隊列となり、道中の動きも少ないレースとなった。ディープインパクトも道中は引き続き後方3番手のまま。動きがあったのは第3コーナー過ぎ辺りから。徐々に前を行く各馬を抜き去っていくディープインパクト。一気の加速で第4コーナーでは早くも外からほぼ全馬を飲み込み、直線半ばで先頭に立つ。

 その後はいつもの光景だ。どんどん後続との差を広げ、最後は流しての入線。2着ポップロックにつけた着差は3馬身、勝ちタイムは2:31.9(良)。武豊騎手が「飛ぶような」と表現した走りの集大成を披露して、有終の美を飾った。通算12勝目、GIタイトルは「7」となった。

 その後は中山競馬場で引退式が執り行われ、現役競走馬としての最後の姿をファンに焼き付けて、稀代の名馬はターフを去った。

<レース映像>

※スーパープレミアムコースでは全レースのフル映像のほか、各場毎のダイジェスト映像をご視聴いただけます

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