札幌、新潟、小倉の開催も先週で前半が終了。今週から後半戦となるわけだが、昨年の後半戦初週にデビューして、ダービー馬となったのが
ロジャーバローズ(栗東・角居勝彦厩舎)。
今年も同じ番組に栗東から遠征する馬もいるが、個人的に注目しているのは小倉芝1800m。当欄で紹介できなかったところでは、おじが
ディープインパクトという良血、
ヴァルコス(栗東・
友道康夫厩舎)も出走を予定。
過去にはこの条件からデビューした
メイショウサムソンがダービー(2006年)を勝っているだけに、またこの舞台からダービー馬が出る可能性があってもよいのではないだろうか。
【8月17日(土) 小倉芝1200m】
◆
ジュビリーヘッド(牡、父
ロードカナロア、
母ローズノーブル、栗東・安田隆行厩舎)
おじに2016年
プリンシパルSを勝った
アジュールローズ(父
ヴィクトワールピサ)がいる血統で、半姉
ノーブルワークスは今年7月の3歳未勝利で中京芝1200mを勝ち上がっている。
本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、7月下旬に栗東へ再入厩。7月31日に坂路で4F52.7秒をマークしており、8月7日にはCWで
ユアスイスイと併せて、6F82.1秒、1F12.3秒。全体の時計としては十分動けているが、追いかけて最後は少し見劣った点がまだまだ良化の余地ありといったところかも知れない。鞍上は
北村友一騎手でデビューする予定となっている。
【8月17日(土) 新潟芝2000m】
◆
ラヴィンフォール(牝、父
ルーラーシップ、
母クロフォード、栗東・
友道康夫厩舎)
2018年セレクトセール1歳にて、5200万円で落札された
ルーラーシップ産駒。おばにあたる
ディープサウス(
父ディープインパクト)は京都芝1600mの新馬戦を勝っており、芝で全2勝を挙げている。
本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、7月12日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。今回は栗東坂路とCWを併用した調整だが、CWでの追い切りは週を追うごとに良化。1週前にはレースで騎乗予定の
M.デムーロ騎手が跨って、CWでの3頭併せだったが、最後方から前を追いかけて、最後は追えば追うほど伸びる感じで最先着。6F80.7秒は非常に優秀で、ラスト1Fも12.0秒としっかりしていた。この動きなら、初戦から楽しみといった感じがする。
【8月18日(日) 小倉芝1800m】
◆
ミレニアムクロス(牡、
父ハーツクライ、
母アドマイヤテレサ、栗東・
斉藤崇史厩舎)
全兄に2014年
コーフィールドCを勝った
アドマイヤラクティ、半兄に2018年
ホープフルS2着の
アドマイヤジャスタ(父
ジャスタウェイ)がいる血統。
5月2日にはゲート試験を合格したが、成長を促すべく、放牧へ出されており、7月に栗東へ戻ってから入念に乗り込まれている。少しずつ、CWでの追い切り時計を詰めるような動きを見せており、1週前追い切りではレースで騎乗予定の
北村友一騎手が跨って、
アメリカンウェイクにやや劣勢の動き。とはいえ、相手は攻め駆けする1勝クラス。瞬発力で見劣ったような走りなので、このひと追いで大きく変わってくるだろう。
◆
シャンドフルール(牝、父
キズナ、
母バイコースタル、栗東・
松永幹夫厩舎)
半兄は同厩舎で管理され、新馬、紫菊賞と連勝した
ティルナノーグ(
父ディープインパクト)。性別が同じとなれば、
ラペールノアール(
父ディープインパクト)がいるが「馬っぷりが全く違いますね」と
松永幹夫調教師。
7月12日にゲート試験を合格した後も在厩したまま調整が続けられているが、7月25日には栗東坂路で4F51.2秒をマーク。このスピードには驚かされたが、初めてのCW追い切りとなった8月7日は1勝クラスを追いかけて、最後は物足りない動きだった。この走りをどう判断するかだが、坂路でのスピードは間違いないはずなので、最終追い切りの動きもしっかり見守りたい。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)