本日、英国・ヨーク競馬場にてインターナショナルSが行われる。日本からは
シュヴァルグランが参戦。日本馬としては05年
ゼンノロブロイ(2着)以来の挑戦となる。悲願の海外G1初制覇となるだろうか。出走予定の有力馬は次の通り。
■8/21(水) インターナショナルS(3歳上・G1・ヨーク芝2050m・9頭)
シュヴァルグラン(牡7、栗東・
友道康夫厩舎)は英G1・2戦目となる。前走・
キングジョージ6世&
クイーンエリザベスSは6着。直前の雨で脚を取られてしまう形となり、力を出し切れなかった。2着
クリスタルオーシャンとは再戦となるが、そのほかで先着を許した馬は不在。
キングジョージに比べると相手関係はかなり楽になった印象だ。
ヨーク競馬場は英国では平坦な競馬場として知られている左回りのコース。
ジャパンカップを制した
シュヴァルグランにとって東京競馬場に似たコース形態はプラス材料だろう。今回のポイントは2050mへの距離短縮。昨年・
大阪杯以来の中距離戦に対応できるかどうかが鍵となる。
この後は日本に帰国する予定であり、是が非でもタイトルが欲しいところだ。鞍上は、前走に引き続き
O.マーフィー騎手が務める。昨年は
ロアリングライオンとのコンビでこのインターナショナルSを制しており、今年は現時点で英国リーディングの座に輝いている。ナッソーSで
ディアドラを勝利に導いた鞍上の手綱さばきに注目が集まる。
クリスタルオーシャン(牡5、英・
スタウト厩舎)が断然の主役であり、
シュヴァルグランの前に立ちはだかる。前走・
キングジョージ6世&
クイーンエリザベスSでは世界女王
エネイブルとの壮絶なマッチレース。結果は惜しくもクビ差敗れてしまったが、世界中の競馬ファンが魅了された。2走前・
ディアドラも出走した
プリンスオブウェールズSでは、
マジカル・
ヴァルトガイスト・
シーオブクラスといった一流の古馬を完封。これによりワールドベストレースホースランキングで首位に輝いた。
ここまで全レースが3着以内という抜群の安定感。G1レースでは連対率100%。先行して押し切るレース
スタイルに死角はない。今回は初対戦の3歳馬との力関係が鍵となるが、
エネイブルへのリベンジを果たすためにも、ここでは負けられない。
プリンスオブウェールズSに続くG1・2勝目を狙う。鞍上は前走に引き続き、J.ドイル騎手が務める。
キングオブコメディ(牡3、英・ゴスデン厩舎)が逆転候補の一頭。ここまで重賞勝ちはないが、重賞初挑戦となった前走・セントジェームズパレスSはスタート直後、内外の馬に挟まれてしまうという不利。ダッシュが付かず後方待機を余儀なくされるが、直線では後方3番手から素晴らしい末脚を披露し、勝ち馬にクビ差まで迫った。
今回は中距離戦も古馬相手も初めてで試金石となる一戦。しかしゴスデン調教師は、前走の脚を余したようなレースぶりからも、中距離適性を高く評価している。ヨーク競馬場の最後の直線は約1000mと長く、その末脚を存分に発揮することが出来そうだ。鞍上はL.デットーリ騎手。デットーリ騎手×ゴスデン厩舎のコンビは、今シーズンだけでG1を10勝。絶好調の
ゴールデンコンビから目が離せない。
愛国産馬の
ジャパン(牡3、愛・オブライエン厩舎)も注目馬であり、
クールモアの最有力馬。偉人の名前や、地名を馬名にすることが多い
クールモアグループの一頭であり、血統背景は日本にゆかりがあるわけではないが、その実力は申し分なし。多くの名馬が制した登竜門・ベレスフォードSを2歳時に制して注目を浴び、今年のイギリスダービーでもわずか半馬身差の3着に好走。
その後
ロイヤルアスコット開催のG2
キングエドワード7世Sを4.1/2馬身差で圧勝すると、続くロンシャンのG1・パリ大賞を好時計で快勝。G1初制覇を果たした。世代トップクラスの能力を示しているが、今回が古馬初対戦となる。鞍上はここ2戦に引き続き、
クールモアの主戦・R.ムーア騎手。
サーカスマキシマス(牡3、愛・オブライエン厩舎)は3歳マイルG1・セントジェームズパレスSの勝ち馬。イギリスダービーでは上位争いに加われず6着に敗退するも、その時の鞍上・デットーリ騎手から距離短縮を進言されての参戦だった。先行して押し切る競馬を得意としており、セントジェームズパレスSでも3着
トゥーダーンホットに交わされたように見えたが、差し返すという勝負根性を披露。キングオブコメディの末脚を封じ、見事G1初制覇を飾った。
前走・サセックスSでは古馬勢を抑え2着。1着
トゥーダーンホットと共に、世代レベルを証明した。今回の鍵は中距離をこなせるか否か。
クールモア勢のラビットも予想されるが、その非凡な勝負根性は本物。同型・
クリスタルオーシャンとのポジション争いにも注目。鞍上はD.オブライエン騎手。
エラーカム(牡4、英・ジョンストン厩舎)は約1100万円の追加登録料を払っての参戦。父はG1・10勝
フランケル、母は英愛1000ギニーなどG1・5勝の
アトラクション。両親合わせてG1・15勝という超良血。しかしそのキャリアは決して順風満帆ではなく、英2000ギニーでは
ディープインパクト産駒サクソンウォリアーに敗れ4着など、3歳時は勝ち星を挙げることが出来ず。秋には気道の手術が施された。
そして今季、G3やリステッドレースなどを中心に使われてきたが、今回のインターナショナルSと同舞台・G2ヨークSを3.1/4馬身差で完勝。満を持しての仕掛けから、後続を一気に突き放した。この快勝が追加登録料を支払っての参戦の決め手となった。鞍上はJ.クロー
リー騎手。
先日ナッソーSを制した
ディアドラも、道悪の
プリンスオブウェールズSから見事に巻き返したが、長期滞在による環境への適応も大きな勝因の一つ。
シュヴァルグランにも、
ディアドラに続く快挙に期待したい。発走は日本時間23時35分。馬券発売は「即PAT会員」のみが対象となっている。