札幌、新潟、小倉の開催もいよいよ最終週。昨年はこの週に小倉芝1800mでデビュー勝ちを決めたのが
クロノジェネシス(栗東・
斉藤崇史厩舎)。
阪神JF2着、
桜花賞と
オークスは3着と現3歳牝馬ではトップクラスの活躍を見せている。十数年前のように、有力馬のデビューは秋という時代からは変化している現在。今年も小倉芝1800mはなかなかのメンバーが集まりそうなので、どんなレースになるか楽しみ。
【8月31日(土) 小倉芝1200m】
◆
キルシェンロート(牝、父
ロードカナロア、
母ルタンデスリーズ、栗東・
橋口慎介厩舎)
おじの
タイセイアトム(
父サクラバクシンオー)は2歳時に札幌芝1200mでデビューして、新馬戦、500万下を連勝。古馬になってからは
ガーネットS(中山ダート1200m)を勝つなど、芝、ダート問わず短距離で活躍した。
本馬は7月18日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ入厩し、ゲート試験合格後も栗東に在厩したまま、調整を続けている。レースでも騎乗予定の
松山弘平騎手が跨った8月21日の坂路では4F53.4秒、1F12.3秒と、いい動きを見せている。
「23日に芝馬場に入れてキャンター調整を行いましたが、いい走りでした」と
橋口慎介調教師。
乗り込みも十分なだけに、初戦から能力全開といったところ。
【8月31日(土) 新潟芝1800m】
◆
イオウゼン(牡、父
エイシンフラッシュ、
母カタマチボタン、栗東・
藤岡健一厩舎)
母は現役時代に2007年の
桜花賞を3着しているが、この時に勝ったのが
ダイワスカーレット、2着が
ウオッカ。
藤岡健一厩舎で管理された半姉
ツヅミモン(父
ストロングリターン)は
シンザン記念2着だが、この時に勝ったのが
アーモンドアイ。単なる偶然かも知れないが、超がつく一流牝馬と縁のある血統といった感じがする。
本馬は坂路での追い切り時計がなかなか詰まってこず、8月21日のCW追い切りに注目したが、ここでも反応の鈍さを感じる部分があった。
ただ、行きたがるところがウィークポイントの
エイシンフラッシュ産駒という点を考えれば、調教でこの動きなら、逆に実戦で動けるかも知れない。
【9月1日(日) 小倉芝1800m】
◆
リアンティサージュ(牡、父
オルフェーヴル、
母ローブティサージュ、栗東・
須貝尚介厩舎)
母は
須貝尚介厩舎で管理されて、阪神JFを勝っており、本馬はその初仔となる。6月20日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、8月3日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩している。
8月21日にレースで騎乗予定の
武豊騎手が跨って、CWで併せ馬を行っているが、その相手は
アドマイヤアルバ。これを追いかけたこともあり、最後は相手の手応えが優勢だったが、これは当然のこと。
それよりも6F81.9秒、1F12.5秒としっかり動けている点を評価すべきで、力強く走れている。現状でも臨戦態勢は整っているが、この負荷によって、レース週にはさらに動ける状態になっているだろう。
◆
ヴェルトライゼンデ(牡、父
ドリームジャーニー、
母マンデラ、栗東・
池江泰寿厩舎)
半兄に
池江泰寿厩舎で管理されて、2014年
マイラーズCを勝った
ワールドエース(
父ディープインパクト)や今年の
若葉Sで2着だった
ワールドプレミア(
父ディープインパクト)がいる。
本馬はゲート試験合格後に一旦放牧へ出されており、8月2日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。8月22日にはレースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨って、CWでの併せ馬。時計は6F85.4秒とあまり速くなかったが、最後の追い比べではしっかりと伸びて先着。
ラスト1Fも12.5秒とまずまずのラップでフィニッシュしている。追われてからの動きを見ると、実戦でより楽しみなタイプではないだろうか。
(取材・文:井内利彰)