今週から秋競馬。中山、阪神でも新馬戦が行われるが、阪神の開幕週といえば、2015年から新設された芝2000mの番組が後のGIで活躍する馬を送り出している。
2016年にハナ差2着に敗れた
スワーヴリチャード(栗東・
庄野靖志厩舎)はこの開催の最終週に同じ阪神芝2000mの未勝利戦を勝ち上がり、3歳時は
日本ダービーで2着。その後もGI戦線で活躍し、4歳になって
大阪杯を制している。
【9月7日(土) 阪神芝1400m(牝)】
◆
ラインエンジェル(牝、父
ジャスタウェイ、
母ラインアンジュ、栗東・松永昌博厩舎)
母系には2000年
南部杯を勝った
ゴールドティアラ(
父Seeking the Gold )や芝長距離で5勝(ダートでは1勝)を挙げた
ゴールデンハインド(
父クロフネ)がいる血統。母は現役時代に芝1200mで3勝を挙げている。
本馬は8月28日に芝馬場で新馬
ハクアイブラックと併せて互角の動き。ゴール前での手応えはむしろこちらが優勢という感じだったが、その相手は先週の小倉芝1200mを2着している。
それから推測しても、初戦から勝ち負けできるレベルにあるはずだし、母系からのスピードがしっかりと伝えられている。鞍上は
幸英明騎手が予定されている。
【9月7日(土) 阪神芝1600m】
◆
ゴルトファルベン(牡、父
オルフェーヴル、
母バシマー、栗東・
吉村圭司厩舎)
母系には
ディープインパクト(
父サンデーサイレンス)の名が出てくる良血で、半兄には芝で2勝、ダートで1勝を挙げている
バシレウスライオン(父
キンシャサノキセキ)がいる。
本馬はゲート試験に合格した後、リフレッシュ放牧を挟んでの再入厩。坂路とCWを併用して仕上げられているが、レースで騎乗予定の
浜中俊騎手が跨った8月29日のCWでは古馬1勝クラスを追いかけて楽々と先着。
6F81.4秒という数字は時計を要する馬場状態だったことを考慮すると、かなり速い。追うごとにその動きが良くなっている印象も受けるだけに、最終追い切りでもどんな動きを見せるか楽しみ。
【9月8日(日) 阪神ダート1400m】
◆
アルコレーヌ(牝、
父ゴールドアリュール、
母マチカネタマカズラ、栗東・
奥村豊厩舎)
半姉に芝で3勝を挙げ、2017年
オークスにも出走した
ホウオウパフューム(
父ハーツクライ)がいる。本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、8月21日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩している。
8月29日にCWで併せ馬を行い、先行して同入。3頭併せの真ん中というシチュエーションに少し戸惑うような仕草を見せていたが、この経験は実戦で役立つはず。
なお、鞍上は
C.ルメール騎手が予定されている。
【9月8日(日) 阪神芝2000m】
◆
アルジャンナ(牡、
父ディープインパクト、
母コンドコマンド、栗東・
池江泰寿厩舎)
2017年セレクトセール当歳にて、1億7000万円で落札された注目馬。すでに当欄で紹介したものの、8月4日の小倉芝1800mが除外。その直後にここを目標に定めて、一旦放牧へ出されている。
前回在厩時から追い切りでの動きは目立っていたが、それが相変わらずと思わせたのが、8月28日のCW。前には
サトノルークス、後ろからは
ジャンダルムが追いかけてくるという、重賞レースのような設定だった。
最後の直線はインから
ジャンダルムが迫ってきて、さすがに一瞬遅れそうな格好は見せたのだが、併走してゴール前になると、むしろ手応えはこちらの方が優勢。
攻め馬は抜群に動く先輩を相手に、あれだけ余裕のあるゴール前を見せられてはお手上げ。あとは実戦でどんな走りを見せてくれるか。
鞍上は
川田将雅騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)