種付け頭数の上限制導入を正式検討 米国ジョッキークラブが発表
米国ジョッキークラブは10日、2021年から種牡馬の種付け頭数に上限制を設ける方向で検討に入ったと明らかにした。
クラブのホームページに掲載されたリリースによると、原案では21年の時点で供用開始から4年以上経過している種牡馬に対して、140頭の上限を設定。供用期間が4年に満たない馬については、5年目のシーズンから随時適用する。
こうした措置を検討する理由として、ジョッキークラブは、北米地区では生産頭数が近年、急速に減少している一方で、特定の種牡馬に交配機会が集中し、懸念すべき遺伝子プールの集中が見られている点を挙げている。
10年に年間種付け頭数が140頭を超えた種牡馬は24頭だったが、今年は43頭に急増している。
繁殖牝馬側から見ても、07年にはこうした人気種牡馬と交配された牝馬の数は5894頭で全体の9.5%だったが、今年は7415頭で、生産規模・繁殖牝馬頭数の減少と重なり、全体の27%に達した。近年の生産頭数減少は著しく、07年の37499頭から、来年は20500頭前後に急減すると予想されている。
ジョッキークラブでは今後、ルールの施行に向けた意見集約のため、生産者、馬主などの利害関係者に意見を求めるとしている。