「ローズS・G2」(15日、阪神)
例年、
オークス組が幅を利かせるレースだが、今年は1〜3着馬の参戦はなく波乱ムードが漂っている。古馬の牡馬を相手に目下2連勝。今夏最大の上がり馬
アルティマリガーレが、勢いそのままに春の実績組に挑む。4戦3勝と底を見せていない
ハービンジャー産駒が、勢力図を一気に塗り替えることができるか-。
過去10年で8勝。ローズS制覇の主流派は確かに
オークス組ではあるが、2015年の
タッチングスピーチと17年の
ラビットランは、条件戦Vから、ここへと臨んでいた。春の実績馬と夏の上がり馬。その距離がグンと縮まるだけでなく、逆転現象が起きる可能性もまた、否定できない。
1勝クラス、そして2勝クラスと連勝中の
アルティマリガーレは、未知の魅力にあふれた一頭だ。
「捻挫をしたため予定よりも2カ月ほどデビューが遅れてしまいましたが、初戦は既走馬相手に強い勝ち方。2戦目は、追いだしを待たされ、下がってから盛り返して2着に入ったように根性もあります。距離も現状は1800メートルがちょうどいいのでは、と思っています」。
ここまで4戦3勝、2着1回。
パーフェクトに近い成績で階段を駆け上がってきた愛馬に、佐々木師は大きな希望を託す。
母は重賞V2の
アルティマトゥーレ。祖
母エアトゥーレは阪神牝馬Sを勝ち、曽祖
母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞・仏G1を制した名牝。スピードと活力に満ちた血筋だ。そこに産駒
ディアドラの活躍で評価の高まった父
ハービンジャーと出会い、底力が補填(ほてん)された形と言えそう。
「条件は合いそう。きれいなキャンターをするので、良馬場の方がいい」と指揮官は力を込めた。立ち止まることなく
秋華賞へ-。阪神1800メートルというステージは、勢力図を塗り替えるキャンバスとなるかもしれない。
提供:デイリースポーツ