船橋、秋の交流重賞・
日本テレビ盃(JpnII)が23日に発走。11月に開催される
地方競馬の祭典・
JBCクラシックに繋がる重要
ステップで、今年は3歳ダート王・
クリソベリルの参戦も注目を集めるなか、舞台となる船橋1800mにはどのような特徴や傾向が? ライター・浅野靖典が解説する。
2010年に
船橋競馬場で実施されたJBCのとき、元騎手の桑島孝春さんにコースの特徴をうかがうと「船橋の1800mはスタートから1コーナーまで500mほどあるので、枠順はあまり関係ないですね。他地区や
JRAの騎手にも乗りやすいと言われます」とのことだった。
船橋競馬場は、1コーナーと3コーナーのカーブがゆるく、2コーナーと4コーナーは比較的きつい“スパイラルカーブ”を採用している。航空写真を見ると一目瞭然だが、平行四辺形のような形状だ。そして全体的に、逃げ切りや直線一気の追い込みが決まることが少ないという傾向がある。
その影響からか、
日本テレビ盃では上位人気馬に活躍が集中。2003年から昨年まで16年連続で、単勝4番人気以内の馬が3着以内を独占している。そのなかで、過去10年間において連対した地方所属馬は、2010年1着の
フリオーソだけ。桑島さんの言葉どおり、実力馬がその実力を発揮しやすいコースであることが読み取れる。
ちなみに過去10年の優勝馬は、前走が「2着以内」または「
帝王賞」(もしくはその両方)。今年の出走予定馬を見ると、その条件を満たしている馬がそれほど多くない。これは覚えておく価値があるデータかもしれない。
上位入線馬の種牡馬に偏りがあるのも
日本テレビ盃の特徴。過去10年で連対した
サンデーサイレンス系の産駒は、父が
アドマイヤマックスの
ケイティブレイブと、父が
ゴールドアリュールの
クリソライト、
スマートファルコン、フリソだけ。そのほかの連対馬はすべて、
サンデーサイレンス系以外の産駒となっている。
上位拮抗の戦いになることが多いだけに、騎手同士の駆け引きが見どころのひとつ。過去の上位入線騎手のほとんどは、実績十分のトップジョッキー。今年も各騎手がどのようにレースを組み立てていくのか、それを含めて推理したい。
ところで、今年の
日本テレビ盃は9月23日で“秋分の日”。通年ナイターの船橋競馬だが、この日は昼間にレースが実施される。そこで、それにちなんだデータをひとつ書き添えておきたい。過去10年で
日本テレビ盃の日が祝日だったことは5回あるのだが、5回とも「ゼッケン番号が2ケタの馬が“1頭だけ”連対」しているのだ。はたしてこのデータは今回も継続されるのか?
その点もぜひご注目を!
(文・浅野靖典)
令和元年!船橋ケイバ特集ページは
こちら