29日に中山競馬場で行われる
スプリンターズS(3歳上・GI・芝1200m)。このコースについて解説していく。
中山芝コースは内回りと外回りがあるが、芝1200mは外回りコースを使用して行われる。
外回り向正面の直線入り口付近からのスタート。初角となる3コーナーまでは275mほどだが、内回りと合流する関係で3コーナーの角度は緩く、そのためコーナーでもスピードが落ちにくい。さらに、スタート地点がコースのほぼ最頂部にあり、前半500mで4mほど、ゴール前の坂下まで含めると4.5mほど下ることになる。緩いコーナーと下りスタートの相乗効果で、前半のペースは速くなりやすい。ゴール前の直線は310mで、ゴール前に高低差2.2mの急坂が待ち構えている。
オーバーペースになると一気に形勢逆転というシーンも珍しくないが、基本的にはスピードを生かせるコースなので逃げ・先行馬の活躍が目立つ。実際に、近3年は
ラブカンプー(11番人気2着)、
ワンスインナムーン(7番人気3着)、
ミッキーアイル(2番人気2着)と3年続けて4コーナー2番手以内の馬が馬券絡みを果たしている。
4回中山は前半5日間はBコース、後半4日間はCコースで開催される。
スプリンターズSは9日目に行われるためCコース使用4日目、4回開催を通しての最終日ということになる。
中山は通常はオーバーシードで行われるが、この4回開催は野芝100%で行われる。夏場に養生され、芝の状態は良く、速い時計が記録されるのが、秋の中山開催の特徴だ。今年は、開幕週の
京成杯AHでは日本レコードが記録されるほどの高速馬場となっており、Cコースに替わった先週も引き続き速い時計が記録された。近年は1分7秒台後半から8秒台前半の決着が多かったが、今年は久々に1分7秒台前後の「電撃戦」が見られそうだ。