スマートフォン版へ

【勝負の分かれ目 スプリンターズS】スプリンターとしての素質を見抜いていたルメール騎手のエスコートで、新・スプリント王誕生

  • 2019年09月29日(日) 19時10分
 秋GI戦線の皮切りとなる第53回スプリンターズステークスのゲートが開いた。

 大方の予想どおり、松若風馬モズスーパーフレアがハナに立った。

「返し馬の雰囲気はよかった。スタートが決まって、自分の形に持ち込むことができました」と松若。

 モズスーパーフレアが単騎で1馬身半ほど抜け出して馬群を引っ張り、マルターズアポジーファンタジストミスターメロディらがつづく。

 前半3ハロンは32秒8。

 川田将雅が乗る1番人気のダノンスマッシュは中団の内。クリストフ・ルメールが騎乗する2番人気のタワーオブロンドンは、そのすぐ後ろの外につけた。

「スタートはストロングポイントではないので、真ん中の8番枠はよかった。今日はいいミドルポジションを取ることができた。ダノンをマークしたかったけど、彼のポジションがあまり好きではなかった」

 そう話したルメールは、内にダノンスマッシュを封じ込めるような形で4コーナーを回り、直線へ。

「どんどん加速して、直線ではずっと伸びていた」

 ラスト200mを切っても、まだモズスーパーフレアが先頭をキープしている。それをミスターメロディがかわしにかかるが、逆に突き放された。

 やはり、単騎逃げの形になるとモズスーパーフレアは強い。ラスト100m地点でもまだ先頭だったが、外からタワーオブロンドンが猛然と伸びてくる。

「思っていたとおりの競馬ができました。最後まで頑張ってくれましたが、勝ち馬の決め手が上でした」と松若。

 ゴールまであと3完歩ほどのところでタワーオブロンドンモズスーパーフレアをかわし、先頭でフィニッシュした。

「自信はあったけど、決勝線まで集中して追いました。今の中山はちょっと心配だった。馬場が速いし、後ろの馬にとっては大変になる。でも、タワーオブロンドンは能力がたくさんあるので勝つことができた。札幌で乗ったときからどんどん強くなって、スプリントレースの経験も生かされています」

 笑顔でそう言ったルメールは、来週の凱旋門賞に参戦するため、今日の飛行機でフランスに入る。

タワーオブロンドンのリミットはまだわからない。また大きなレースを勝てると思う。今日は飛行機のなかでゆっくり眠れます」

 早くからスプリンターとしての素質を見抜いていたルメールが、初めてのGIをプレゼントしたことによって、「自説」が正しかったことを証明した。

 先々が楽しみな、新・スプリント王が誕生した。

(文:島田明宏)

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す