「
凱旋門賞・仏G1」(6日、パリロンシャン)
地元の
ヴァルトガイスト(牡5歳、仏国)が直線力強く伸びて1着。史上初の3連覇が懸かった
エネイブル(牝5歳、英国)は2着に終わった。日本勢は
キセキ(牡5歳、栗東・角居)の7着が最高で、
ブラストワンピース(牡4歳、美浦・大竹)、
フィエールマン(牡4歳、美浦・手塚)は馬群に沈んだ。
1969年の
スピードシンボリの日本調教馬初挑戦から50年。今年の日本馬3頭も、分厚い壁に跳ね返される結果となってしまった。
それぞれが大きな勝算を持って臨んだ一戦だった。前哨戦のフォワ賞こそ4頭立ての3着に終わった
キセキだが、
シャンティイで立て直して気配万全。担当の清山助手は「
キセキを起こす準備はできました」と話していたが、これといった見せ場をつくれず7着。日本馬最先着とはいえ、あまりにもふがいない内容だった。スミヨンは「非常に難しい馬場だった。最初のスピードは良かったが、そこでスピードを出し過ぎたかもしれない。とにかく
キセキにとっていい馬場ではなかった」と肩を落とした。
英国ニューマーケットで調教した
フィエールマンは12着、
ブラストワンピースは11着。
フィエールマンは好位で進めたものの、
フォルスストレート(偽りの直線)を抜けるともはや力なく、ズルズルと後退。
ブラストワンピースも中団馬群の外めで手応えが怪しくなり、そのまま万事休すだった。英国調整から仏国に渡るという、新たな試みで世界の頂を獲る-。果敢な挑戦だったものの、それが実ることはなかった。
勝ったのはブドー騎乗の地元馬
ヴァルトガイスト。3連覇が懸かる
エネイブルを外から力強く差し、昨年4着の雪辱を果たした。フォワ賞からの連勝で、“手堅いが善戦止まり”というイメージを覆したと言っていいだろう。
日本馬は年々レベルアップしている-。そう評価される一方で、逆に近年、どんどん遠のいていくかのように思える欧州最高峰の一戦。日本競馬界の悲願達成はまた、翌年に持ち越された。
提供:デイリースポーツ