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【勝負の分かれ目 天皇賞・秋】管理者と鞍上を驚かせる強さでアーモンドアイが令和最初の天皇賞・秋を制覇

  • 2019年10月27日(日) 18時45分
 令和最初の天皇賞・秋のゲートが開いた。

 クリストフルメールが乗る1番人気のアーモンドアイは、内の2番枠から速いスタートを切った。

 2コーナーでサートゥルナーリアに前に入られて手綱を引く局面はあったが、そのまま好位の内を進む。

「ちょっと怖かったです。アーモンドアイにプレッシャーをかけられたけど、サートゥルナーリアの後ろというのは、いいポジションだと思いました」とルメール。

 スタンドにいた国枝栄調教師も特に不安なく見守っていた。

「スタートをポンと出たのでひと安心でした。あとは締められないように、と思って見ていました」

 アエロリットが逃げ、アーモンドアイはそこから5馬身ほど離れた6番手の内につけた。

 1000m通過は59秒0というゆったりとした流れ。

 アーモンドアイの1馬身半から2馬身前にはサートゥルナーリア、すぐ横にはダノンプレミアム、直後にはスワーヴリチャードがいた。こうした「アーモンドアイ包囲網」に囲まれたまま3、4コーナーを回り、直線へ。

 アーモンドアイは抜群の手応えだったが、前を馬群の壁にふさがれている。サートゥルナーリアの直後につけたままラスト400m地点を通過した。

サートゥルナーリアをマークしていたんだけど、早めに下がってきた」

 そう振り返ったルメールは、アーモンドアイを、逃げるアエロリットの内に誘導した。

「十分なスペースがあったし、すごくいい反応をしてくれました」

 内埒沿いからアーモンドアイは、凄まじい脚で突き抜けた。国枝師はこう言う。

「おっかないな、すごいな、と思いました。ほんと、びっくりしました」

 管理調教師を驚かせる末脚で、外から追い上げた2着のダノンプレミアムに3馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。

「ボタンを押したら、すぐに速い脚を使った。ぼくも彼女の上でびっくりしました。もう特別な馬です」

 前走の安田記念で3着に敗れて心配させたが、やはり、アーモンドアイは強かった。令和最初の天皇賞にふさわしい、現役最強馬による完勝劇であった。

(文:島田明宏)

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