「
天皇賞(秋)・G1」(27日、東京)
過去最多となるG1馬10頭が参戦。まれに見る豪華メンバーがそろった一戦は、1番人気の
アーモンドアイが圧勝した。好位の5番手から直線で最内を突いて抜け出すと、最後は後続を3馬身引き離して、国内外合わせて6つ目のG1タイトルを手にした。2着に3番人気の
ダノンプレミアム、3着には6番人気の
アエロリットが入り、2番人気の
サートゥルナーリアは6着に終わった。
もはや日本にラ
イバルはいない。超一流馬が集結した中でも、輝きを放ったのは
アーモンドアイただ一頭。圧倒的な強さで、令和初の天皇賞にその名を刻んだ。
東京の2000メートルで2番枠からのスタート。包まれるのを嫌ったルメールは「ちょっと危ない枠番」と感じたが、スタートをうまく決めたことで、その不安は杞憂(きゆう)に終わった。インの5番手。自然と前に
サートゥルナーリア、横に
ダノンプレミアムを見る位置取りに。「いいポジションが取れた」。全てルメールのシナリオ通りだ。
大きな動きもなく、淡々と進み迎えた最後の直線。外に出すか、内を突くか-。鞍上は迷わず内ラチと
アエロリットとの間へ誘導。「僕も彼女の上でびっくりした」という反応の鋭さで、一瞬にして狭い空間を割った。そこからは独壇場。スタート直後の不利に泣いた
安田記念から147日。その無念を晴らすとともに、改めて“最強”を誇示する3馬身差の完勝劇だった。
「すごい脚で伸びてくれた。結構早めに勝てると思いました。多分、きょうの彼女はトップコンディションではなかった。でも心臓と能力がすごいから楽勝でした」と、その強さを絶賛したルメール。自身は昨秋、今春に続き天皇賞3連勝。
武豊、和田に並ぶ記録に「平成最後の天皇賞を勝てて、令和最初も勝つことができた。すごくうれしい」と声を弾ませた。
国枝師は「これだけのメンバーが集まった一戦だから、しのぎを削ってっていうイメージだったけど、一気に抜け出したんで。すごいっていうか、おっかないっていうか…」とラスト1Fからの末脚に目を丸くした。
次走は昨年、驚異的なレコードで圧勝した
ジャパンC(11月24日・東京)か、登録のある
香港C(12月8日・シャティン)になる見込み。常に想像を超えてくるスーパーホースに「まだまだ上があるような気がします」と国枝師。さあ、次はどんな強さを見せてくれるのか。異次元のパフォーマンスは終わらない。
提供:デイリースポーツ