近年の一線級牝馬は
ジャパンCなどの牡馬混合路線や海外を見据えるケースも増えてきており、以前に比べると上位の層が薄くなりがちな面は否めない。それもあって、展開に恵まれた人気薄が上位に食い込んでくる例もしばしば見られるレースとなっている。
1.若い馬が中心
過去10年で3歳馬が複勝率24.4%、4歳馬が25.5%なのに対し、5歳馬は9.1%、6歳馬は7.1%、7歳以上は0%となっている。また、過去に
スノーフェアリーが3、4歳で連覇、
クロコスミアが4、5歳で連続2着などの例はあるが、17年の覇者
モズカッチャンは18年3着、16年の覇者
クイーンズリングは17年7着、15年の覇者
マリアライト、3着の
タッチングスピーチは16年6、8着と、過去に好走歴があっても年齢を重ねると着順を下げる馬がほとんど。
2.
府中牝馬S組の存在感が高まる
府中牝馬SがGIIに昇格した11年以降の8年間で、前走
府中牝馬Sの馬が馬券に絡まなかった年は15年のみ。GIIになってメンバーレベルが高くなったという理由に加えて、
エリザベス女王杯というレース自体が上がりの速さを要求するようになってきていることから、
府中牝馬Sでのスピード競馬経験が活きやすくなっているようだ。
3.休み明けは割引
外厩の発達などにより休み明けの好走確率は確かに高まっているが、このレースではまだ結果は出ていない。過去10年で中9週以上だった馬は[0-0-3-16]。3着に入ったのも、昨年1番人気で3着の
モズカッチャン、一昨年3番人気3着、16年2番人気3着の
ミッキークイーンであり、人気以上には走れていない。
スカーレットカラーは前走の
府中牝馬Sも好内容だったが、より注目したいのはそれ以前の
クイーンSと
マーメイドS。いずれも馬群の中で脚を溜め、直線は狭い所を割って終いまで確実に伸びてきていた。そのように器用な競馬ができることは京都コースにおいて確かなアドバンテージとなる。距離が未知数だが、例年通りのスローペースなら問題なくこなせるはず。