今週に入って、全国的にも冷え込みが厳しいようだが、栗東も例外ではない。6日、7日とも調教開始前の気温は6℃。好天だったこともあり、調教終了間近になってくると14、15℃まで気温が上昇するので、寒暖の差に体調を崩しやすい季節といった感じもする。
【坂路/4F51.9秒】
11月6日。一番時計は
ジャスパーイーグル(栗東・
森秀行厩舎)の4F49.7秒。ラップの詳細は1F目に11.8秒を踏み、その後は12.0秒、12.1秒、13.8秒。かなりブッ飛ばして行き、最後にバッタリと止まったという時計になっている。4F50秒台が5頭もいるので、決して時計の出にくい馬場ということではなかったと思うが、4Fを速くするためには、ある程度テンから速いラップを刻む必要がある馬場かも知れない。
そんな中、1F目13.8秒と遅めのラップを踏んだにもかかわらず、4F50.9秒をマークしたのが
エアアルマス(栗東・
池添学厩舎)。後半2Fが24.0秒をマークしたことで全体が速くなっているが、この2F時計はこの日の最速。しかも馬なりでこの時計をマークするのだから、スピード能力は明らかに重賞級といった感じがする。
7日。一番時計は4F50.5秒の
テーオービクトリー(栗東・
岡田稲男厩舎)。追い切り頭数自体が前日よりも少ないので、4F50秒台はこの馬を含めて2頭しかいないが、時計の出方としては前日とほぼ変わらない時計の出方といった感じがする。
先週の馬場差は「±0.0秒」。基本的には先週と大差のない馬場だが、全体的な時計の出方を見ると、先週よりは気持ち時計が出やすくなっている。よって今週の馬場差は6日、7日とも『-0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
11月6日。馬場状態としてはここ最近、変わりないという印象。ただ、6F時計で言えば、先週よりも遅めという全体的な並びになっている。時計上位が
マイルCS(11月17日・京都芝1600m)の1週前追い切りという馬も多いのだが、そんな中では比較的大人しい数字といった感じがする。
そんな中、単走ながら軽快な動きを見せた
シャドウディーヴァ(美浦・
斎藤誠厩舎)。
松山弘平騎手が跨ったのは、前走時の最終追い切りと同じだが、直線に向いてから手前を替えないのも同じ。ただ、今回はゴール直線で手前を替えている。その動きが微妙だったので、右手前の方が良い走りをするタイプかも知れないが、栗東滞在でしっかりと動けているのは間違いない。
11月7日。天候の変化もなく、馬場状態は前日とほぼ同じ。この日、注目したのは
京都2歳S(11月23日・京都芝2000m)の2週前追い切りを行った
マイラプソディ(栗東・
友道康夫厩舎)。
フライライクバードが先行し、後ろからは
トリコロールブルーが追いかけてくるという隊列。その真ん中で折り合いを欠くこともなく、道中からしっかりと走れていた。最後の直線は3頭の真ん中に入っていたが、その手応えは終始楽。ゴールを過ぎたところで少しだけ前へ出ていた動きを見ても、力を付けていることが分かる。
時計は6F84.5〜5F68.5〜4F52.9〜3F38.3〜1F11.8秒と全体は遅いが終いは速い。調教における走りの質も向上しているだけに、次のレースでのパフォーマンスも楽しみにしたい。
先週の馬場差は「-0.7秒」。馬場状態自体は先週と変わっていない印象だが、全体的な時計の出方を見ると、先週よりも基準時計に近い。つまり馬場としては、先週よりも時計を要しているということで、今週の馬場差は『-0.3秒』で6日、7日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
先週に比べると追い切り頭数が落ち着いた芝馬場。ただ、時計の出方はかなりしっかり追われてある程度の時計が出るといった感じで、馬場状態としては決して良好とは言えない。今週の馬場差は6日、7日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場は
友道康夫厩舎を筆頭に、利用頭数が増えていることは先週お伝えした通り。厩舎スタッフの話では、入れ替えてからの馬場は非常に乗りやすくて使いやすいとのこと。6日に
ラインベックが3頭併せしたニュースは前日にお伝えしているが、7日は
シュヴァルグランが単走で追い切っている。馬場差としては、先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)