秋のマイル王決定戦。かつてはスピード馬のための数少ない目標で、堅いレースの代表格とされた時期もあった。しかし、近年は香港国際競争を含めて秋のGI路線が多様化したため、人気が割れることもしばしばで、1番人気馬の信頼性は低下している。
1.高齢馬は苦戦
過去10年、4歳馬は[3-6-4-23]で複勝率36.1%、5歳馬が[3-3-3-49]で複勝率15.5%なのに対し、6歳馬は[1-1-1-30]の複勝率9.1%で7歳馬は複勝率0%。5歳以下の馬が中心になると見て良さそう。しかし、3歳馬はここ2年連続で優勝しているとはいえ、[2-0-2-31]で複勝率11.4%。中距離では2kgある古馬との斤量差がマイルでは1kgになるため、他レースに比べるとやや勢いは落ちる。
2.リピーターが多い
GIにしてはリピーターが多いレース。過去10年をみても、
サプレザ、
ダノンシャーク、
フィエロ、
イスラボニータ、そして
ペルシアンナイトの5頭が複数年3着以内に入っている。京都コースは、3コーナーにある坂、急角度で回る4コーナーとト
リッキーな面もあり、他場と趣向を異にしている。京都巧者が幅を利かせやすく、距離実績よりは京都実績を重視したい。
3.東京での実績はアテにしにくい
過去10年中9年で、同年の
安田記念で4着以下に敗れた馬が1頭以上馬券に絡む結果となっている。対して、昨年の
安田記念をワンツーした
モズアスコットと
アエロリットは本レースで12・13着、17年
安田記念を制した
サトノアラジンは本レースで3年連続馬券圏外になるなど、
安田記念を好走した馬が本レースでは苦戦するケースも多い。マイルGIという形式は同じでも、コースが違えば好走馬も変わる。
アルアインはこれまで東京コースで3戦しいずれも馬券外。前走
天皇賞・秋の惨敗は大外枠が響いたことが大きな要因としてあるが、そもそも東京コースがあまり合っていなかったという見方もできる。対して京都コースは、昨年の本レースで3着するなど適性を見せている。ここで見直す余地は十分にあるだろう。