前走の
府中牝馬S(GII)の殿負けからGIの舞台で巻き返しを図る
プリモシーン(牝4・美浦・
木村哲也)が、ウッドチップコースで3頭併せの追い切りを行った。管理する木村調教師が共同記者会見に臨んだ。
(今朝の追い切りを見届けて)
うまくいったなと思ってホッとしているところです。
(3頭併せの真ん中だったが?)
どんな状況になってもしっかり集中力を保って走り切れるシチュエーションを提供したという感じですね。
(かなり走りたがっているように見えたが?)
そのようにしたいということで準備をしてきたので、そういう意味でもうまくいったと思っています。
(引き上げてきて騎乗者とはどのような会話を?)
うまくいったねという感じで、そんなにたくさん話さなくても大丈夫でした。うまくいきましたし、どううまくいったのかという話はしました。
(残念な結果となった前走を総括すると)
まずはオーナーや応援してくださっている方に、あのような姿を見せてしまったことをこの場を借りてお詫び申し上げたいなということがまずあって、反省点は、ある部分ができていないとしても、この体調だったら脚を使って形にはなるだろうと踏んでいたのですが、そうはならなかった、甘くなかったということでした。
(何か足りないピースがあった?)
そうですね。その部分は大丈夫だと踏んでいたので、恥ずかしいですね。
(その後の調整は?)
しっかり稽古を積んでいくという感じです。完全に馬が調教師を見下ろしているという状況だったので、厩舎一丸となって馬に置いていかれないように…。今までやったことのないことにチャレンジしていかないと変化はないだろうと踏んでやっています。こんな状況になってしまって失うものは何もないので、あとは上がるしかないという感じでチャレンジしています。
(具体的にどんなことを?)
これまでは距離を長めに乗ったり時間をかけないようにしてきましたが、今回は距離を長めに乗って調教したり、時間をかけるなど、多分馬には嫌われるようなことをやっています。
(それに対して馬も応えてきている?)
そう思っているのですけど、前走も思っていたようにはならなかったですし、あまり大きな声では言えなくて恥ずかしいのですけど…。
(今週末はその答えが出るという意味でも大事なレース?)
そうですね、何とか彼女の
プライドを復権させたいと思っています。
(群雄割拠の相手関係については?)
自分の管理馬をしっかりさせることで一杯一杯ですし、自分の管理馬をどれだけのコンディションで出せるかというだけですね。当然他の馬たちに対する
リスペクトは最大限持っていますが、自分の管理馬をしっかり良い状態で出していきたいという気持ちですね。
(イメージするレースの流れや立ち回り方は?)
ペースや馬場の内外などは当然ありますが、前走からの今回ということを考えると、アグレッシブに馬が前半から張り切っていくようなことをやった方が、今回はもちろん後々生きてくるのではないかなと思っています。
3歳の前半はゲートがダメだとか、引っかかり過ぎるとジョッキーからも言われたりして、その辺でチグハグなところがあったのですが、古馬になってゲートの中がダメというのはほぼ考えづらくなっていますし、誰が乗っても折り合いも多分大丈夫だと思っているんですよね。むしろ前走は前半からのんびり走っているところもありましたしね。
(前進気勢を出したいと?)
それでも良いんじゃないかなと思います。今日はそれを出すために3頭併せの真ん中で追い切ったというのもありますし、そこにチャレンジしていっても、道中のリズムが崩れることはないように持ってきています。
(輸送の予定は?)
十中八九、土曜日の朝に移動すると思います。行楽シーズンなので金曜日の朝という可能性もありますけど、馬の体調や単純にコンディションを上げていくということだけを考えれば、今回は土曜日の朝にしたいと思っています。
(昨年の
マイルCSは厩舎初めてのGI制覇だったが、今年もそれができれば師にとっても大きな一歩に?)
今回この3週間、4週間取り組んでいることは今までと当然違うことなので、結果はどうあれ厩舎の今後には必ず結びついていくと思いますとスタッフから言われて、ああそうですかという感じだったのですが、そういうことも踏まえて1つの記念になるようなGIになれればいいなと思いますし、なるような感じもしています。
(取材・文:佐々木祥恵)